超大物スターの復活や極秘婚騒動、そして中華芸能界にもはびこる薬物汚染など…09年を揺るがせた華流10大ニュースをレコードチャイナ編集部のセレクトでご紹介する。第4回は、「才能あふれる人気歌手アンソン・フーのひき逃げ事件」。

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10代にしてデビューを果たし、デビューシングルでは50万枚のヒット、そして中国本土出身の歌手としては初めて台湾での単独公演を行うという快挙も成し遂げたシンガーソングライターのアンソン・フー(胡彦斌)。R＆Bやラップを得意とし、その才能は小室哲哉も絶賛したという折り紙つきだが、人身事故を起こした上に現場から逃走するという失態を演じ、そのキャリアに傷をつけてしまった。

アンソンは6月下旬の早朝、上海市内の交差点でタクシーと衝突し、乗客2人と運転手を割れたフロントガラスなどで負傷させた。その後、事故現場から猛スピードで走り去った姿を巡回中の警官に目撃され、そのカーナンバーから身元が判明した。アンソンの所属レコード会社は「アンソンには重要な急用があった。決して逃げたわけではない」と強調。被害者とは補償を含めた方向で話し合いをしていると発表していた。

後日、同市内で謝罪会見を開いたアンソンは、事故発生時の状況について「相手の車は助手席に誰も乗っていなかったので、それほど大きな被害はないだろうと判断して現場を去ってしまった。あまりの恐怖と緊張状態で…」と語った。しかし、翌朝には自ら警察に出頭し、被害者らにも謝罪したという。さらに、「有名人としてこのようなことはすべきでなかった」と神妙に語り、被害者に対するすべての賠償責任を負う意向を示した。

同じ月、中国では俳優の周杰(ジョウ・ジエ)が3人を負傷させる人身事故を起こし、同じく現場から立ち去っている。事故発生時、酒に酔っていたとの証言もあり、非難を浴びた。(編集/愛玉)