Record China 2006年11月30日(木) 18時0分
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新婚生活を病院で始めた唐雪竜さんと常超さん。病と闘う2人に、ある日大きな試練が訪れた。常さんが留守にした間に、唐さんが自分で呼吸できなくなり、意識を失ったのだ。写真は今年11月25日、夫婦のことを知った鄭州市民が集まり、ロウソクを灯して唐さんの回復を祈る光景。
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残暑厳しい2006年9月8日、毎日かいがいしく夫・唐雪竜(タンシュエロン)さんの看病を続ける常超(チャンチャオ)さんに、夫の母はとても感謝していた。たまにはゆっくりさせてあげたい一心で、家でシャワーを浴びてきたら、と勧めたが、常さんは、少しの間でも彼のそばを離れるのが実はいやだった。しかしこの日はその言葉に甘え、北京市郊外にある自宅へ一時帰宅することにした。常さんはバスで久々の家路をたどりながら、何となく胸騒ぎがしていた。
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バスが自宅近くに着く前、突然携帯電話が鳴った。悪い予感がした。それは「10分前から唐さんが自力で呼吸できなくなっている」という連絡だった。気が動転した常さんは泣きながら運転手に頼んでバスを止めてもらい、すぐさまタクシーを拾って病院への道を急いだ。―なぜ、なぜ私がいない間にこんな事に―。病室には酸素マスクで気道を確保された唐さんが、人工的に呼吸をしていた。ベッドにすがりつく常さんに彼の母が伝えたのは、彼が最後に発した言葉だった。「お母さん、常さんはどこへ行ったの?」
「彼は、私が彼のそばから絶対離れないと信じていたのに、姿が見えなくなったから動揺してしまったのだ」と常さんは思った。私はここにいるから、もう大丈夫よ。彼に向かって強く、何度もそう念じた。しかし実際、そばに常さんが戻ってからも、彼は一向に目を覚まさず、人工呼吸器につながれて呼吸しているだけだった。常さんは落胆する唐さんの母を「彼には私がついているから。だいじょうぶですよ、また意識が戻りますよ」と勇気づけた。
マスクをつけたまま20日が経過した。彼は相変わらず人工呼吸器による呼吸を続けていたが、様態が急変、ついに心肺停止状態に陥った。緊急措置として、医師は電気ショックによる心肺蘇生を試みた。1回、2回、3回。彼の体が衝撃で波打つ。しかし息を吹き返す兆しはなく、医師はあえなく死亡を宣告しようとした。常さんは「彼はまだ私の顔を見ていないのだから死ぬはずがない、もう一度試してください!」と頼んだが、医師は「これ以上やると彼のあばら骨が衝撃で折れてしまうから無理だ」と言いきった。
常さんは必死にすがりついた。「彼は私のことを待っているから、絶対生き返るから!お願いします!!」医師は彼女の気迫に負け、これで最後だ、と再び彼の体に電気ショックを走らせた。彼女は全身全霊、すべての力を込めて祈った。すると!何と心肺のリズムを刻む電子音が、再び病室に響き渡ったのだ。常さんは医師に感謝した。「ありがとうございます!彼はやっぱり私のことを待っていたんです!」
命を取り留めた唐さんは、依然として昏睡状態にあるが、今日も常さんが寄り添っていることで彼は生命を保ち続けている。常さんは職場に事情を説明して許可をもらい、毎日病室へ通って手厚い看病を続けている。1日、2日、3日、10日、20日、30日…時は刻々と過ぎていき、今も唐さんの心臓は動いている。常さんは祈っている。唐さんはきっと意識を回復し、その目で私を見つめ返してくれるだろう。その日が来るまで、常さんは見守り続ける。彼女のために彼が得意料理を作るという、2人の約束が実現することを信じている。
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