Record China 2010年4月24日(土) 19時20分
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23日、作家、コラムニストの楊恒均氏は、ブログで記事「上海万博は中国の価値観を広められるのか」を発表した。本来の意義を見失った万博は意味がないと厳しく批判している。写真は上海万博のリハーサル。
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2010年4月23日、作家、コラムニストの楊恒均(ヤン・ヘンジュン)氏は、ブログで記事「上海万博は中国の価値観を広められるのか」を発表した。以下はその抄訳。
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中国の盛り上がりとは裏腹に、私が訪ねた欧州やオーストラリアでは上海万博は全く話題になっていない。逆に時代遅れの展覧会となった万博に、なぜ中国人はそれほど思い入れがあるのかと聞かれる始末。
かつて万博は各国の科学技術や経済的成果を誇示する舞台であった。では中国に何があるのだろうか。一山いくらの安物を自慢げに紹介するのか、あるいは廃油をリサイクルする技術やメラミン入りの牛乳を見せびらかすのか。
万博には各回ごとのテーマがある。上海万博のテーマは「より良い都市、より良い生活」。高層ビルが続々と建設され、周辺の住宅を取り壊し、都市が拡大している中国にとっては重要なテーマだが、欧米はもう100年以上も前にその過程を終えている。より良い生活を送りたければ、都市なんかに住むものではないと知っているのだ。ましてや不動産価格が高騰する中国では、若者は狭い部屋にすし詰めとなっているのが現状だ。
経済成長を成し遂げた日本や韓国では、万博は世界に自国を宣伝する機会となった。ならば、急速に発展する中国にとっても、万博を開催する意義があることは間違いない。ただし問題は、我々には宣伝しうるどのような価値観があるかなのだ。
中国は北京五輪を開催した。あれほど豪奢で人目を引く五輪は、どの先進国でも開催することはできないだろう。それというのも先進国は本当の意味で「以人為本」(中国政治のキャッチコピー。「人間本意」の意)を達成しているからだ。全ての子どもにスポーツができる環境を与える。五輪を開催した中国だが、こうした五輪の精神を受容することは拒否してしまった。
私は五輪と万博の開催を支持する。しかし五輪精神のない五輪、本来の意義を見失った万博では、自国のメンツのために市民の財産を損なうだけ。飾り立てられた中国独特の政治宣伝活動に過ぎない。(翻訳・編集/KT)
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