<映画の中のチャイナ>胸躍る冒険の次の舞台は?3Dでなくても十分〜「アリス・イン・ワンダーランド」

Record China    2010年5月27日(木) 10時28分

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2010年5月、本年公開映画の首位を走る「アリス・イン・ワンダーランド」。ティム・バートン監督とジョニー・デップという当代最強コンビに並んで、新進女優ミア・ワシコウスカがアリスを生き生きと演じる。写真は3月に上海の博覧会で3Dテレビ体験をする来場者。

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2010年5月、本年公開映画のトップを走る「アリス・イン・ワンダーランド」(2010年、ティム・バートン監督)。バートン監督とマッド・ハター役のジョニー・デップという当代最強のコンビに見守られ、新進女優ミア・ワシコウスカがアリスを生き生きと演じている。

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単純に幸せな無垢な少女ではなく、目元に憂いと強い意思を蓄えたミアは、本作のヒロインである19歳のアリスにふさわしい。オーストラリア出身のアクセントも原作当時の英ビクトリア朝時代の舞台設定にピッタリで雰囲気を盛り上げている。

◆チャイナは茶会の主役の一人

本作は全体としてとても不思議な世界をつくり出すことに成功しており、現世(うつしよ)のストレスを束の間忘れさせてくれる。

登場するチャイナはまずティーパーティの主役の一部であるティーポットなどの陶磁器たち。英語のチャイナが「陶器」を意味するように、陶磁器の源流は中国にたどることができる。かつて中国から欧州へ輸出された磁器は高い評価を受け、明代に一時輸出が停止されるとその隙間を埋めるために日本から柿右衛門のような素晴らしい磁器が生まれ、さらにそれを写してマイセンなど欧州の高級磁器につながる。

アリスといえばやはり、時計を持ったウサギが急いで向かっていたメインステージがお茶会であり、そこにこうした陶磁器類がそろっているわけだ。

もう一つ大きなチャイナは、ネタばれになるのでここでは具体的に触れないが、全体のストーリーにかかわる存在として登場してビックリした。アリスの、そして世界の未来はバートン監督によってどう示されるのかが注目だ。

しかし、これほど中国の色が濃い作品に中国の観客はどのように反応しているのだろう。中国語タイトル「魔境夢遊」などで検索しても大した話題は登場しないが、一見中国に関係がない「アバター」であれほど噛み付いていただけに気になる。

◆3Dメガネは邪魔かも

最後に一つ。本作は美しい異世界を十分に描き出しており、ストーリーも楽しい。ただ、同じ3D映画の「アバター」はダイナミックな立体画像が映える作品だったが、「アリス」は別に3Dでなくても楽しめる印象だ。

世の中はテレビまで3Dの時代を迎えつつあるようだが、3Dメガネを使うのはやはり邪魔くさいし、作品の完成度を上げるよりも入場料収入かさ上げのために3D化が選ばれたとしたら…、とつい考えた。ちょうど最近、「大人はつじつまを合わせようとする」とスタジオジブリ宮崎駿監督が子供が作る作品の自由さを褒めていた文章を見かけ、「アリス」はそんな細かなことを考えないスケールの大きな作品だと感じただけに、そこだけはひっかかる。

いっそのこと、ホログラムのようなものでシームレスに立体画像を見ることができる時代が早く来てほしいものだ。<映画の中のチャイナ11>(文章:kinta)

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