中国での賃金引き上げ、輸出品価格の上昇通じ全世界に波及へ―米紙

Record China    2010年6月10日(木) 13時19分

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7日、米紙ニューヨーク・タイムズは、中国で労働者の給与水準が上昇したり、人民元の切り上げが実施されれば、各製品の生産コストが上昇して世界中に影響を及ぼすと指摘した。写真は山東省にあるフォックスコンの工場。

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2010年6月7日、米紙ニューヨーク・タイムズは「中国人の賃金上昇に伴い、輸出品価格も上昇か」と題した記事を掲載し、中国で労働者の給与水準が上昇したり、人民元の切り上げが実施されたりすれば、各製品の生産コストが上昇して世界中に影響を及ぼすと指摘した。8日付で環球網が伝えた。

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製造業の中心となる中国沿海部の各企業では現在、賃金制度や各種手当の見直しが行われている。また、経済アナリストの多くは、今年中に人民元が切り上げられる可能性が高いと予測しており、中国の製造業にとってこれらはいずれも相対的なコスト増につながる。

中国における労働コストは欧米に比べると依然として低いが、中国人労働者の賃金の上昇は最終的に世界経済全体に影響を及ぼし、Tシャツからスニーカー、パソコンにスマートフォンまであらゆる商品の価格上昇を引き起こすだろう、と専門家は指摘する。

中国で最近、アップルやデルなど世界大手ブランドの受注生産をしている富士康(フォックスコン)が、今年10月から80万人の従業員を対象に給料を約2倍に引き上げることを決定した。これを受け、クレディ・スイスのあるアナリストは「中国の製造業はこの20年間、世界の各メーカーに低コストと低価格を提供してきた。しかし、こうした時代はまもなく終わろうとしている」と分析する。

一方、北京市政府は3日、同市の最低賃金基準の引上げを発表した。その他の多くの自治体が近々、これに追随すると予想されている。

こうした状況に、専門家は「労働コストの上昇が与える影響は業界によって異なる。繊維製品などの低付加価値製品は、生産拠点を中国沿海部から内陸部へ、さらにはベトナムやバングラデシュなどの海外へと移転していく可能性が高い」とし、「ただし、スマートフォンなどハイエンドの電子製品は利幅が大きく、加えてその生産基盤が中国国内ですでに確立されているため、引き続き中国に残るだろう」と予測する。

また、ミシガン大学中国研究センターのある主任は「中国は巨大な国内市場を持っているため製造基地としての地位は失わないだろう」とし、「ただし、今後は単なる“世界の工場”ではなく、ハイエンド製品で製造業の発展を目指すだろう。これは中国政府の意向とも一致している」との見方を示している。(翻訳・編集/HA)

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