2010年8月5日、中国の女性ジャーナリスト・閭丘露薇（リューチウルーウェイ）氏はブログに「人の親として」と題した記事を掲載した。以下はその抄訳。

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子連れの家族と連れだって上海旅行に出かけた。万博、外灘、石庫門の古い住宅をめぐったが、数日後、子どもたちは上海科学技術館が一番面白かったと口をそろえた。酷暑の上海で科学技術館の冷房はまさになによりの楽しみだったし、子どもも大人も遊びながら多くを学んだ。

万博見学ついでに科学技術館を訪れる人は多く、館内は混み合っていた。幸いにも子どもたちは人混みの中でどうやって自分を守るのかをすぐに学んだし、さらにはどうやって人を押しわけるのかも学んだようだ。

本当のことを言うと、こういう時は困りものだ。子どもたちにマナーの大切さを教えてきたが、現実はというと、もし自分たちだけルールを守って列に並んだら、永遠に順番は回ってこないだろう。そこで、子どもたちには「みんなが列を作っていたら自分も並ばなければならない。もしみんなが人を押しのけていたら仕方がない」と教えることにした。

結局、子どもは大人たちを見て育つのだ。それどころか、大人であれ、いい環境ではいい習慣が身につくならば、人が多い場所では整理券を渡したり、いろいろと改善できるのではないか。その意味で上海万博は相当成功しており、30〜40万人もの人がいてもそんなに混乱した感覚はなかった。（翻訳・編集/KT）

●閭丘露薇（リューチウルーウェイ）

中国の女性ジャーナリスト。上海出身。香港フェニックステレビ（鳳凰衛視）の著名な記者で、03年のイラク戦争でバグダッドを取材した唯一の中国人女性記者として一躍名を馳せた。「戦場のバラ」と呼ばれ、中国全土で高い人気を誇る。

※本記事は筆者の承諾を得て掲載したものです。