2010年8月25日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、フィリピンの首都マニラで今月23日、香港の観光客8人が犠牲になったバスジャック事件に関連して、「事件に対する中国政府の反応は、在外中国人保護などに関して、中国政府に対する国民の圧力が日に日に増していることを表している」と報じた。29日付で環球時報が伝えた。以下はその要約。

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中国政府系のメディアは、香港の観光客がマニラで遭遇した事件について依然として大々的な報道を続けている。その中でも特に、中国政府の反応を伝えるものが圧倒的に多い。

中国政府はフィリピン政府に対し、事件の徹底解明、迅速な詳細情報報告、負傷者の救済、案件の適切な事後処理を求めている。中国外交部は「中国政府は大使館の処理を補助するため、特別チームをすでにマニラへ派遣した」との声明を出した。楊潔●（ヤン・ジエチー、●は竹かんむりに褫のつくり）外相はフィリピンのロムロ外相に対し、「中国政府はフィリピン政府が適切な処置を講じ、フィリピン在住中国人の生命と財産の安全を確保することを要求する」と伝えたという。

中国政府のこうした反応は、指導者層の深い同情の念を反映している以外に、在外中国人に対する保護意識、また、政府にその能力向上を期待する中国国民の圧力が日に日に増していることを表している。

中国人の海外旅行や海外出張の増加に伴い、危険への遭遇も増加している。同時に、中国人の政府に対する期待と要求が膨らみ、中国政府はそれに応じせざるを得なくなっている。

中国の軍事外交政策の専門家でもある米海軍戦争大学(NWC)のアンドリュー・エリクソン准教授は、今月発表した論文「中国同胞への配慮：海外で働く中国国民保護に関する圧力の上昇」の中で、中国の指導者層が中国海軍の増強や経済的な実力向上によって自信を深めていることに触れた上で、「今後、中国国民が誘拐やその他の暴力事件に遭遇した際には、中国政府に武力で対応する方式を取らせることになるだろう」と指摘している。（翻訳・編集/HA）