干上がるだけでは終わらない=ロプ湖周辺の環境が悪化、砂漠も拡大―新疆ウイグル自治区

Record China    2010年11月1日(月) 13時6分

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29日、新疆ウイグル自治区に位置する塩湖・ロプノールは砂漠化やダム建設などにより既に干上がってしまったが、その周辺地域の環境悪化がいまだに続いているという。写真は同湖周辺部。

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2010年10月29日、シルクロードの途中に位置し、漢(25〜220年)の時代にはその西岸に都市国家・桜蘭が栄えた塩湖・ロプノール(ロプ湖)。新疆ウイグル自治区に存在する同湖は、砂漠化や同湖に流れ込んでいた河川の水流の変化、上流でのダム建設などにより現在は干上がってしまった。その周辺地域の環境悪化はいまだに続いているという。亜心網が伝えた。

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中国科学院ロプノール調査隊と南京大学の王富葆(ワン・フーバオ)地理学教授がこのほど、ロプノール周辺の調査を行った。

研究者によると、同湖の西岸が最も繁栄したのは今から350〜1150年前。特に700〜900年前は気温が比較的高く、降水量も多く湖水が淡水化したため、水生生物が大量に繁殖し、岸辺を覆う植物も増えた。しかしそれ以降、砂漠化が始まり、同湖に流入する河川の水量の変化、1958年に建設されたダムの影響などで、1962年には同湖は完全に干上がり現在の姿となったという。

調査を行った同調査隊は、「同地区の環境は今でも悪化し続けている」と指摘する。1980年にも調査に参加したという夏訓誠(シア・シュンチョン)隊長は、「砂漠は当時よりもさらに北へ100m拡大している」と語り、「90年に建設した水路はすでに埋もれ、04年に地上に施設した鉄条網も深さ1〜3mの砂に埋まってしまっている」と証言した。

同地区の気候と環境の変化についての原因調査の意義について夏氏は、「環境改善のために科学的な根拠を提供できるだけでなく、中国西部の干ばつ地域の気候変化の規則性について、一定の解明が期待できる」と指摘した。(翻訳・編集/HA)

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