作者抗議も、6千円のにせ仏像がヤフオクで30万円!日本のアート市場に中国製贋作の大波ー京都

Record China    2010年12月2日(木) 19時23分

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12月、日本の大手ポータルサイトのオークション部門でこの秋、著名仏師による作品を装った偽物が出品され、高額で落札される騒動があった。写真は被害に遭った大仏師・松本明慶師。

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2010年12月、日本の大手ポータルサイトのオークション部門であるヤフーオークションでこの秋、著名仏師による作品を装った偽物が出品され、高額で落札される騒動があった。

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問題となったのは9月中旬に「〜本物保証!【名仏師】松本明慶作 白檀彫り 共箱付」と銘打って大々的に出品された「大日如来像」。この情報を得た同師の工房では、自らの作品ではないことを確認した上で出品者に抗議したところ、仏像の顔部分の写真を外しただけの対応でオークションが継続されてしまった。このため、作者としてヤフーに直接抗議したが「出品者と落札者間の問題である」と回答するだけ。

この間、作者と名指しされた本人が自らの作品ではないと抗議しているにもかかわらず、オークションサイトでは「質問にて鑑定書の有無等の問い合わせが多かったため、委託者に再度確認させていただいたところ、公な鑑定書は受けていないとのことです」という、作者が抗議しているという重大な事実を無視した追加説明が掲載されただけ。「6000円ほどで入手できる程度のもの」(同工房)とみられる偽仏像は9月23日には最終的には30万2000円で落札されてしまったという。

アートの世界では、中国製の贋作による脅威が言われて久しい。陶磁器や山水画からヒスイ製品など伝統的な中国製品はまだしも、洋画や工芸品など中国以外の美術品・骨董品でも、中国で製造した上で“輸出”されるものが後を絶たず、年代鑑定の困難なヒスイ製品に至っては、オークション業者やキュレーターなど専門家の間でも「贋作の鑑定は困難だから、怪しいと思ったら手を出さないのが一番だ」とされているほどだ。

仏像ブームに沸く日本では近年、製作コストの低さからか中国の仏師による作品を販売する業者もある。松本師は「ヤフーは実態を十二分に承知していながら、なおも(贋作など不正な)取引の場を提供し続け、自らの利益を優先している。また、ネットオークションの場だったから(今回は)贋作の出現を察知できたが、日本各地の仏具・古美術・骨董市場でこのような悪質な取引きが行われていた場合、眼力を備えた人の通報がない限りどうにもならない現状がある」として関係者に注意を呼びかけている。(文章/三木)

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