Record China 2011年2月2日(水) 8時58分
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1月31日、中台間に横たわる「ひとつの中国」という問題について、「中台が協力して相互の平和的発展を図ることが得策」とする意見が台湾の民意の主流になりつつあるという。写真は中国政府から台湾に贈られたパンダ団団(トゥアントゥアン)と圓圓(ユエンユエン)。
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2011年1月31日、中国と台湾の間に横たわる「ひとつの中国」という問題について、双方はこの30年間にわたって、ゆっくりではあるが徐々に歩み寄りを見せてきた。現在、台湾には独立を望む勢力が依然として存在するものの、現実問題としては「中台が協力して相互の平和的発展を図ることが得策である」という意見が、台湾の民意の主流になりつつあるという。シンガポール紙・聯合早報の報道。
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79年1月、米中国交が成立。これが、中台の平和的統一に向けた具体的な第一歩となった。国交樹立に際し、中国は米国に1)台湾との断交、2)米軍および米軍施設の台湾からの完全撤退、3)米華相互防衛条約の無効化を条件として提示、米国はそれを受け入れたうえで「ひとつの中国」を明言、台湾は中国の一部であることを認めた。同年、中国は「台湾同胞に告げる書」の中で、双方の軍事対立の停止とともに「三通(通商・通航・通郵)」の即時推進を謳い、これは08年末にほぼ全面的に実現することとなった。
87年、中台相互の親族訪問が認められる。92年、中国製工業製品の台湾への流入が認められる。93年、「九二共識」によって中台双方が「ひとつの中国」を原則と定める(注:「ひとつの中国」の解釈については中台個別の認識がある)。その後、李登輝政権〜陳水扁政権を経て台湾独立の機運が高まる時期もあるが、08年に馬英九政権が成立すると、中台間はその距離を急速に縮める。08年末に「三通」が実現、それに伴い、物流・司法・医療・農漁業など多方面で両者の協力関係が結ばれ、それは文化・学術方面にも及んできた。いずれも「先易後難(できることから先に)」「先経後政(まずは経済から、そして政治へ)」という二原則のもとに発展してきた結果である。そして2011年1月6日、両岸経済合作委員会が正式に起動する。
この2年間、台湾市民は中台関係の緩和に伴う大いなる恩恵をその実生活で体感した。台湾の農産物などが中国で売れに売れ、農村の生活は潤い、日々増え続ける中国人観光客によって地元観光産業は大きく成長し、08年の世界的金融危機からの脱却に成功したばかりか、各業界が活況を呈することになったのである。中国と近づけば生活が良くなる…これを実感した市民の民意に政治家たちももはや逆らうことはできず、台湾独立を掲げる民進党も、最近では方針転換を迫られることとなった。
もちろん、これは台湾人の心が“祖国”中国への帰属意識を高めたということでは決してない。馬英九現政権が「統一せず、独立せず」という原則を掲げ、中華民国の国家主権を依然として主張しているという前提のもと、中国との融和を歓迎しているのであり、台湾の独立派もその勢力を弱めているものの、それは独立放棄を意味しているわけではない。現在も台湾人の多くには「ひとつの中国」という認識が欠けていると言わざるを得ないのだ。一国二制度のもとに実現が望まれる「祖国の統一」への道のりは、まだまだ遠い。(翻訳・編集/愛玉)
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