空港で母親刺した日本留学中の中国人学生、悲劇の背景には何が?―米華字紙

Record China    2011年4月20日(水) 12時32分

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18日、米華字紙は、上海に一時帰国した日本留学中の中国人留学生が空港で出迎えた母親をナイフで刺し、重傷を負わせた事件の原因について考察した。写真は先月24日、アモイで開かれた留学説明会。

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2011年4月18日、米華字紙・僑報は、上海に一時帰国した日本留学中の中国人留学生が空港で出迎えた母親をナイフで刺し、重傷を負わせた事件の原因について考察した。19日付で中国新聞網が伝えた。以下はその内容。

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事件は1日、日本から上海に一時帰国した中国人留学生、汪(ワン、25)が空港で出迎えた母親(51)と仕送りの件で口論となり、預け荷物のバッグから取り出した果物ナイフで刺したというもの。刺し傷は全身9カ所に及び、母親は胃と脾臓が破裂するほどの重傷を負った。

汪は5年間の留学費用をすべて母親からの仕送りに頼っていた。母親の月収は約7000元(約9万円)。ここから日本での学費と生活費を捻出するのは容易ではない。それでも母親は息子に苦労させたくない一心で親戚や友人に借金を繰り返していた。

汪が母親を刺した直接の原因は、母親が金の工面に行き詰まったこと。汪は仕送りが途絶えれば留学生活は続けられないと母親を責め、刺した。この事件から、親の子どもに対する溺愛ぶりが良く分かる。子どもを留学させるなら、たとえ苦労してでも自立させるべきだが、汪の母親は違った。

汪のように親に甘やかされて育った若者は中国では珍しくない。それに加え、中国の学校も道徳教育が十分ではない状態だ。近年、中国人が海外留学先で悲劇を起こす例が増えているが、これは若者が勉強ばかりで社会的責任やルールを守ることなどを教えられないまま育ってしまったことに問題があるのではないか。

わがまま放題に育ち人格形成が不十分なまま海外に出たらどうなるか。「心のケア」が重視されている西洋とは異なり、中国人は精神的な問題を表に出したがらない。メンツやプライドを気にするあまり、どんなに辛くても辛いと言えず、ストレスを溜め込んでしまう傾向が強い。

海外での生活は大変なことも多いだろう。だが、辛い時は辛いと言い、周囲の助けを借りることも大切だ。自ら進んで環境に溶け込む努力をすることも忘れてはならない。だが、どうしても心が苦しい時はカウンセリングなどを受けて欲しい。それは決して恥ずかしいことではない。無事に卒業することが1番の親孝行になるのだから。(翻訳・編集/NN)

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