Record China 2007年1月16日(火) 15時57分
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昏睡状態に陥った唐雪竜さんとその妻常超さんの話は、中国全土に広まっていた。2006年11月25日、瀋陽や成都など中国の157もの都市で、5万人を超える市民がろうそくを持ち寄り、唐さんの回復を祈って1本1本に火を灯した。
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2006年9月8日、残暑厳しいこの日、異変は起こった。前月21日、結婚と同時にがん治療のため入院した唐雪竜(タンシュエロン)さんとともに、新妻の常超(チャンチャオ)さんは彼を襲う病魔と闘っていた。彼女の実家は少し遠い北京市郊外にあるため、かいがいしく彼に付き添う常さんは何日も帰宅していなかった。そこで唐さんの母のすすめに従い、一時帰宅して疲れを休めることにした。
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常さんはバスに乗りながらも胸騒ぎを覚えていたが、その悪い予感が的中した。自宅近くに来た頃携帯電話が鳴り、「10分前から唐さんが自力で呼吸できなくなっている」という連絡を受けたのだ。彼女はすぐさまタクシーを拾って病院への道を急いだ。病室に戻った常さんの目に入ったのは、人工呼吸の機械をつけた、変わり果てた彼の姿だった。彼が最後に発した言葉はこうだったという。「お母さん、常さんはどこへ行ったの?」。
人工呼吸器のマスクをつけたまま20日が過ぎた日、唐さんの様態が急変、心肺停止状態に陥った。医師は電気ショックによる心肺蘇生を試みたが、彼が息を吹き返す兆しはなく、あえなく死亡を宣告しようとした。常さんは必死に医師にすがりついた。「彼は私のことを待っているから、絶対生き返るから!お願いします!」医師は彼女の気迫に負け、再び彼の体に電気ショックを走らせた。彼女は全身全霊、すべての力を込めて祈った。すると何と心肺のリズムを刻む電子音が、再び病室に響き渡ったのだ。「ありがとうございます!彼はやっぱり私のことを待っていたんです!」
こうして一度は命をとりとめた唐さんだが、昏睡状態から回復することはなく、時は刻々と過ぎていった。彼らのことを知った中国じゅうの人々からの応援を受けながら、常さんは毎日病室へ通って看病を続けた。
しかし年が明けたばかりの2007年1月9日、ついに唐さんは帰らぬ人となってしまった。出会いから約1年、初めて顔を合わせてから11か月。彼との短かいけれど楽しかった日々を思うと、常さんは涙を止めることができない。
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