政治家の業績作りとGDP向上が「短命建造物」を量産、平均寿命は30年―中国紙

Record China    2011年5月12日(木) 8時59分

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11日、中国では政治家の業績作りと国内総生産(GDP)向上の犠牲となった「短命建造物」が後を絶たない。彼らは生まれてからわずか25年〜30年で次々と「夭逝」していく。写真は先月28日、爆破解体された遼寧科技館。

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2011年5月11日、中国では政治家の業績作りと国内総生産(GDP)向上の犠牲となった「短命建造物」が後を絶たない。彼らは生まれてからわずか25年〜30年で次々と「夭逝」していく。中国青年報が伝えた。

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中国住宅都市農村建設部の仇保興(チウ・バオシン)副部長は3月末に開かれた第6回「国際エコ建築と建築省エネ大会」で、中国が毎年消費するセメントや鋼材は世界の40%に達し、新築件数は世界最多に上るが、それらの平均寿命はわずか25年〜30年だと述べた。

なぜ、中国には「短命建造物」ばかりなのか。中国の学者たちは「質の問題」「計画性のなさ」「政治家の業績作り」「利権絡み」の4つをその原因に挙げている。中でも浙江大学公共管理学院の範柏乃(ファン・ボーナイ)教授は「政治家が自らの業績とGDP向上ばかりを追求した結果」と指摘する。

中国では地方トップが変わるたびに都市計画が変更され、その都度、建てたばかりの立派な建物がものの数秒で爆破されていく。行政側も市民を納得させる理由作りが上手くなり、次は「〜シティ」や「〜センター」を建てると意気込んでみせるが、結局は「壊してGDPを増やし、新たに建ててまたGDPを増やす」だけのことだと範教授は見ている。

欧米や日本では取り壊しの前に必ず地元市民の「意見聴取会」のような場が設けられるが、中国の市民は行政と開発業者の言いなりになるしかない。遼寧省では先日、瀋陽市の大型書店・北方図書城が取り壊されたばかりか、さらに瀋陽市室内環境観測センター、瀋陽市住宅積立金管理センターも取り壊されるという。

跡地には中国初の「体験式文化広場」が作られる予定だ。だが、これももしかすると20年後には爆破される運命にあるのかもしれない。中国ではこうして毎年、約4億トンのがれきが新たに生まれている。(翻訳・編集/NN)

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