2018年1月16日、韓国の有名アイドルグループのメンバーが、正式な面接試験を受けずに大学院の博士課程に合格していたことが判明し、警察が捜査に乗り出した。韓国・SBSが報じた。

有名アイドルグループのメンバーAさんは16年10月にソウルの私立大学・慶熙（キョンヒ）大学の一般大学院博士課程に志願したという。試験には書類選考や面接が含まれていたが、面接会場に現れなかったことから「不合格」に。その2カ月後にAさんは再度追加募集に志願、またも面接会場には現れなかったが、今回は「合格」したとされる。

これをめぐり、警察はAさんの入学過程について捜査に乗り出した。当時学科長だった教授に対する事情聴取を行い、大学院の行政室や当該教授の事務室も捜索したという。

一方のAさん側は「当該教授の勧めで大学院に志願し、教授が所属事務所を訪れた際に『これが面接だ』と述べたため面接会場に行かなかった」と釈明している。なお、入学直後にAさんは休学手続きを取ったそうだ。

同大学にかって勤務していた関係者によると、当該教授はお酒の席で会うと「うちの大学院に来てください」と切り出し、「面接など来なくてもいいです」と話すことが多かったとのこと。警察はAさんと教授に対し適用可能な法律の検討を行っていることを明らかにしている。

SBSでは「Aさんの他にも芸能人や企業代表など多くの人が面接試験なしで大学院に合格したとされ、警察の捜査は拡大するものとみられる」と伝えている。

これを受け、韓国のネットユーザーからは「勉強しないアイドルが博士課程に行く必要ある？」「博士をとって何するの？」などAさんへの批判をはじめ、「芸能界はどんだけめちゃくちゃなんだ」「アイドルも問題だけど、所属事務所はもっと悪い。だって事務所がやり方を教え、力を行使したはずだから」などその矛先は芸能界にも及んでいる。

このため「誰なのか公開して」「ネットユーザーのみなさん、誰か調べて」と求める声が絶えず、中には「博士課程への進学は軍隊への入隊を延ばすため」と進学の背景を推測するコメントも。

その他にも「実力のない博士を量産する大学が多い」「大学院入学が国公立の幼稚園に入るよりずっと簡単という、まるでコメディーな現実」と韓国の学歴社会を皮肉る声も上がった。（翻訳・編集/松村）