<東日本大震災から半年>一面の夏草、懸念される風化現象―日本語教師の復興ボランティア体験記

Record China    2011年9月14日(水) 17時19分

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東日本大震災から半年。日ごろ日本語教師として中国人留学生たちに教えているが、留学生の東日本大震災復興支援ボランティア活動に触発され、8月の最終週、岩手県の陸前高田市、釜石市箱崎地区、同市大槌町を訪ね、がれきの撤去作業を行った。

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東日本大震災から半年。日ごろ日本語教師として中国人留学生たちに教えているが、留学生の東日本大震災復興支援ボランティア活動に触発され、8月の最終週、岩手県の陸前高田市、釜石市箱崎地区、同市大槌町を訪ね、がれきの撤去作業を行った。

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8月26日の午後9時半すぎ、横浜駅西口の天理ビル前を2台のバスに分乗して出発。現地には翌朝到着。神奈川県の仮設宿泊施設(遠野市)に3泊し、30日早朝横浜帰着という5泊5日の強行軍だった。

最初に赴いたのが陸前高田市。海岸沿いにバスが走ると、がれきの中に「一本松」が立っている。こずえの葉の一部がやや黄色に変色。元気がないように見えた。見上げた校舎の上層の窓には津波に運ばれた軽自動車が今でも突き刺さったままだ。

バスから見た釜石市内の商店街には人影がない。軒を連ねる商店の1階部分には柱以外は何もない。津波がすべての物を持って行ってしまったのだ。新日鉄の企業城下町としての面影は既にない。

町長以下多くの職員が亡くなった大槌町は、ちょうど町長選の投票日。投票ができるところまでやっとたどり着いた状態で、本格復旧は遅れに遅れている。

被災した田畑や宅地に流れ着いた乗用車の塊や大きな構造物は既に重機で撤去されており、この時点でのボランティアは勢い細かい作業になる。被災地の田畑や宅地の表面は今、一面の夏草に覆われている。緑の草原を思わせるが、下の土砂の中には、ガラスの破片や家財道具、衣類に戸板と、ありとあらゆる生活の断片が埋まっている。小グループに分かれたボランティアたちは土の中からそれらを掘り出し、けがに注意しながら一つひとつ丁寧に取り除いていく。

作業そのものはそれほどきつくないが、強い日差しに汗が噴き出す。30分作業15分休憩を1日に何回も繰り返す。別のグループは骨を発見、警察に通報した。

「夏休みを過ぎると、ボランティアの数は激減する。でもやるべきことはいっぱいあります」「夏草が被害の大きさを見えにくくしている」。地元のボランティアリーダーは、大震災の風化を真剣に心配。帰路のバスで引率のリーダーは「現場で受けた精神的ショックで惨事ストレス(心的外傷後ストレス障害=PTSD)に陥ることがあります。その場合は迷わず精神科を受診してください」と繰り返し訴えていた。(日本語学校教師/RN)

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