地下水の過剰採取で地盤沈下、北京・天津は最も深刻―中国・華北地方

Record China    2011年10月25日(火) 11時35分

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24日、中国華北地方では過剰な地下水の採取が原因で大規模な地盤沈下に見舞われている。特に北京市や天津市等の都市では深刻な問題となっている。写真は2006年7月、河北省。大雨の後に地面が陥没したが、この原因は地下水の過剰採取と言われている。

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2011年10月24日、中国国営テレビ局・中央電視台(CCTV)の報道によると、華北地区での過剰な地下水採取により、華北平原が大面積の地盤沈下を起こしているという。広州日報が伝えた。

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河北省滄州市人民医院は2年前までは3階建ての婦人科病棟があったが、地盤沈下によって本来の1階部分が“地下室”となり、“2階建て”になってしまった。2009年、この病棟はやむなく解体・建て直しすることになり、その跡地には噴水が作られている。

滄州市中心部の地盤沈下の状況は顕著で、沈下前後の状態が目視できる場所ではで地面が2段になり、約30cmもの段差がある。中国地質環境監測院調査・科学技術外事処の呉愛民(ウー・アイミン)処長によると、1970年代から現在までに滄州市の地盤は約2.4m沈下したという。しかし、滄州市の例は特殊ではない。華北平原では、地盤沈下が2mを超える地域がすでに6万平方メートル余りに達し、その面積は平原全体のほぼ半分を占める。特に北京市や天津市等では深刻な状況であり、この主な原因の一つが、過剰な地下水源の採取である。

呉処長は「華北平原の地下水の採取量は、同地区の水供給量全体の75〜80%を占めている」と述べた。その採取量はすでに1000億立方メートル余りを超え、もし、自然の循環に任せて地下水を補おうとすれば、少なくとも数万年はかかる。

呉処長はさらに、地盤沈下のさらなる進行によって、北京―上海間を結ぶ京滬高速鉄道や南水北調プロジェクト(中国南部の水を北部に送り慢性的な水不足を解消するプロジェクト)の安全面の影響を懸念している。(翻訳・編集/若林亜希)

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