Record China 2011年10月26日(水) 20時5分
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北京大学社会学部の鄭也夫教授は、ブログで記事「中国人の信頼は家庭の範囲を超えられていない」を発表した。写真は信頼を体感するための小学校の授業。後ろ向きに倒れ込んだ生徒をみなで支えるという内容。
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2011年10月、北京大学社会学部の鄭也夫(ジョン・イェフー)教授は、ブログで記事「中国人の信頼は家庭の範囲を超えられていない」を発表した。
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社会学者ゲオルク・ジンメルは「信頼は社会における最も重要な総合的力量の一つである。人々の間に普遍的な信頼がなければ、社会そのものが瓦解してしまう。人々が一般的に感じている以上に、現代生活は他人の誠実さに対する信頼に基づいている」と指摘した。まさに信頼は社会秩序を成立させる重要なツールである。しかし、中国社会は依然として「低信頼社会」にとどまったままだ。
信頼社会を形成するためには、地域のコミュニティ、教会、職場などの社会中間組織の存在が不可欠となる。だが、中国社会は中間組織を持っていない。ゆえに「信仰」も「契約」も存在しないが、その中で奇妙な二律背反状態が形成された。すなわち強大な中央集権体制が存在する一方で、その内側はばらばらの散砂に過ぎない。表面的には家族など血縁関係が社会的ネットワークの中核を担っているように見えるが、実は中国人の信頼は血縁ネットワークを超えることはないのだ。
信頼は3タイプに分類することができる。第一に人格の信頼だ。相手を知り、その経歴を知ることで信頼できるかどうかを知るもの。第二に通貨の信頼だ。知らない人間相手でも通貨を使って取引できるシステムが存在する。そして第三に専門家の信頼だ。医師に治療を頼めるのは、ある事柄を熟知する専門家を信頼しているためだ。
今、中国ではこの3カテゴリすべての信頼が危機に脅かされている。通貨や専門家の信頼どころか、最も基礎的な人格の信頼まで揺らいでいる。もし信頼がひとたび失われたならば、その回復はきわめて困難だ。(翻訳・編集/KT)
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