YinYin 2018年1月27日(土) 18時10分
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今年の年賀状で、私は中国語通訳案内士は絶滅危惧種だと書いて送ったが、他の言語の通訳案内士も同じように感じていると分かりました。写真は東京タワー。
今年の年賀状で、私は中国語通訳案内士は絶滅危惧種だと書いて送ったが、他の言語の通訳案内士も同じように感じていると分かりました。台湾出身の通訳案内士は、安倍首相に手紙を書くと言っていました。仕事中、他の無資格ガイドから嘲笑されるとも言っていました。「難関の通訳案内士試験を勉強するだけ無駄だったね」と。
実際、簡単な試験ではありません。私も合格するまで5年の月日を費やしました。私は話すのは得意でしたが、作文は苦手でした。日本人の私ですらこの体たらく、外国籍の受験者が合格するのは容易ではないです。折角合格しても仕事がありません。これでは受験者は増えません。まして無資格でもガイドの仕事ができるとなれば、言語を問わず、世界中から無資格ガイドが観光客を連れて来ることを日本国政府は容認してしまったのです。喜んだのは外国のエージェント。これからさまざまなデタラメニッポン都市伝説が生まれるに違いありません。
何故、日本国政府は観光立国を実現している先進国に学ばなかったのでしょう。通訳案内士の権利を保障している国は実にたくさんあります。我々は本来、民間外交を担うべき存在であるのに、日本へ来ても日本人と接触することなく、リアルな日本や日本人像を知ることなく、帰国の途についてしまうなんて何て残念なんでしょう。
無資格ガイドの人たちがバスの中でやっていること、めちゃくちゃです。全てとは言いませんが、私はバスドライバーさんの協力を得て実際に無資格ガイドのバスに乗車したことがありますが、東京タワーが見えたって自分の商売に必死で、何の説明もしていなかったりしています。
一度、ラブホテルを主な宿泊先としている旅行会社の無資格ガイドの説明をバスの中で聞きましたが、成田空港から都心までラブホテルのエピソードばっかり。ディズニーリゾートくらい説明しろよって。日本人がどれだけ助平かって伝えているようなもの。ま、間違いではないとしても、他にも話すことはたくさんあるだろうに、いい加減にしろよ、って思いました。
前回取り上げたインチキ免税店、朝の8時に開店してお客さんを入れています。お客さんを別の店に行かせないため、又、お客さんに他の店との比較検討をさせないためです。
無資格ガイドが観光客に売り付ける商品、通販くずれで日本人が見向きもしない洗濯ボール、わけの分からぬ消臭グッズ、日本ではまずお目にかからない、日本製と称した化粧品、チリ産アワビを日本産と称したり、オージービーフを神戸牛と称したり。日本人の長寿の秘訣納豆キナーゼ配合健康食品。日本のドラッグストアで買えば10分の1の値段のブルーベリーのサプリメント。日本製の部分のシールを剥がせば中国製とか、やりたい放題です。
で、こうした無資格ガイドに品物を供給する店が堂々と街中に店を構えています。ネットでいくら、販売価格いくら、まとめ買いでいくら、ちゃんと決まりがあります。目ざとい無資格ガイドは自分なりの仕入先を持っています。バスの中でオーダーをとって、最終目的地のホテルや旅館まで配達してもらったりしています。
よく我々が東南アジアなどで遭遇する団体ツアーにありがちなパターンだと思えば分かりやすいかと思います。日本もアジアの域を超えていません。
エージェントの人は、日本語さえ話せれば、外国人の方が当該言語は堪能だと考える方もいます。確かに私もネイティブの方と同じようには話せません。所詮は外国人の中国語です。
ですが、我々が海外旅行へ行った時、多少訛っていても一生懸命日本語で説明をする現地のガイドさんに親近感を持ったりしませんか?通訳案内士試験に国籍の条項はありません。難関の試験を突破した彼らは素晴らしいと私は思っています。ですが、そんな彼らが本国出身の無資格ガイドに辱めを受け、バカにされる現状を放置しておくのは、法治国家としてどうよ、と思うのです。
■筆者プロフィール:YinYin
1964年生まれ。千葉県出身。北京留学後、日本の大手商社の中国駐在員として活躍。千葉県警初の国際捜査官(北京語・巡査部長採用)の経歴を持つ。さらに、中国語通訳案内士の資格を有し、司法通訳(警察・地検・地裁・入国管理局)、医療通訳など、マルチに活躍している。
1964年生まれ。千葉県出身。北京留学後、日本の大手商社の中国駐在員として活躍。千葉県警初の国際捜査官(北京語・巡査部長採用)の経歴を持つ。さらに、中国語通訳案内士の資格を有し、司法通訳(警察・地検・地裁・入国管理局)、医療通訳など、マルチに活躍している。Facebookはこちら※フォローはメッセージ付きで。
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