金融引き締めに転じる日銀、市場は憂慮示す―中国メディア

人民網日本語版    2018年1月23日(火) 19時30分

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日銀はこれまでずっと、世界の中でも急激な通貨緩和政策を実施する典型的な代表例とみられてきた。だが最近は金融引き締めを思わせる動きをしており、市場を不安に陥れている。資料写真。

日本銀行(中央銀行)はこれまでずっと、世界の中でも急激な通貨緩和政策を実施する典型的な代表例とみられてきた。だが最近は金融引き締めを思わせる動きをしており、市場を不安に陥れている。長年にわたり市場の注意点は米国経済の見通しとトランプ大統領が推す税制改革法案に多く集まっていたからだ。仏銀行ソシエテ・ジェネラルが懸念するように、日本が突如として金融引き締め政策に切り替えれば、円に対して悲観的だった投資家は対応しようにも間に合わず、市場は2008年の時のようにキャリートレードの密集位置にそれぞれ巻き込まれる恐れがあり、盛んに発展しようとしているグローバル株式市場に「急ブレーキ」をかけることになる。国際商報が伝えた。

市場の懸念の源はすべて日銀がこのほど発表した内容にある。一部の長期国債の買入額を減額し、10年超25年以下国債は100億円削減して1900億円に、25年以上国債は100億円削減して800億円にするとしたのだ。このことは日銀が発した金融引き締め政策のシグナルだと一般的に解釈されており、市場はただちに反応して、ドルの対円レートはただちに1ドル112円を突破して、一時は111.77円まで下がり、過去1カ月間の最安値を更新した。

これについて民生銀行研究院の孫瑩(スン・イン)研究員は分析を加え、「国内外の経済情勢が好転する中、日本経済にはついにデフレ脱却の兆しが見られるようになった。現在、日本の労働市場は賃金引き上げを抑制し、強い輸出と資本的支出が国内総生産(GDP)の7四半期連続の増加を後押しし、コアインフレ率も11カ月連続で上昇しており、日銀の2017年最後の金融政策決定会合の議事要旨でも、委員がQQE(量的・質的金融緩和)からの撤退を議題に組み入れるべきとの意見を出したことが記されている」と指摘した。

民生銀行がまとめた最新の報告書「各週重要ニュース分析」の指摘によると、13年以降、日銀は一貫して超緩和の金融政策を継続し、金利がマイナスまで下がっただけでなく、株式を含む各種資産を大量に買い入れた。日銀の国債買い入れ政策の変更は今後の政策調整を暗示している可能性がある。市場には、日銀が金融政策を変更するかもしれない、その主な原因は日本経済が回復していることにあり、これが金融引き締め政策に土台を提供しているとの見方が広がる。

データをみると、日本の17年11月の基本給は前年同期比0.4%上昇し、10月は同0.3%上昇し、現金収入は全体として0.9%増加し、いずれも予測を上回るとともに16年7月以降で最高の水準に達した。賃金データが上昇しており、これを潜在的な早期インフレシグナルとみなす人は多い。

日本メディアの報道によると、日銀は1月の金融政策決定会合で18年度の経済成長率見通しを1.4%から1.5〜2.0%に引き上げる見込みだ。これは主に海外の経済情勢が順調だったことが背景にあり、日本の輸出が増加し、企業が設備投資に積極的な態度を示したためだ。

孫研究員は「1月初めに日銀が発表したデータをみると、2017年12月31日現在、日銀の資産総額は521兆4160億円で、11月末比4438億円減少した。減少規模は大きくないが、日銀がQQEを実施して以来初めての前月比減少となった」と分析した。

だが孫研究員は次のようにも強調した。「日銀が短期的に大幅に量的緩和政策を変更する可能性は低い。まず日本のインフレ水準は2%の物価上昇率目標とはなお大きな隔たりがあるからだ。次にこのたびの日本経済回復の原因は外部需要の好転にあり、内在的成長エネルギーは弱く、このため日銀は緩和政策を維持し、円を安値で維持し、引き続き輸出と経済回復を促進していきたい考えだからだ。とはいえ長期的にみれば、金融政策の正常化が大きな流れであり、(緩和から引き締めへの移行の)具体的な時期は日本の産出量ギャップとインフレの動きを見て決定しなければならない」。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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