人民網日本語版 2018年2月1日(木) 6時20分
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日本の仮想通貨取引所「コインチェック」はこのほど、同社ホームページが26日にハッカーの攻撃を受け、取引プラットフォームで保管していた顧客26万人の仮想通貨NEM(ネム)580億円分が流出したことを明らかにした。被害金額は過去最高に上る。資料写真。
日本の仮想通貨取引所「コインチェック」はこのほど、同社ホームページが26日にハッカーの攻撃を受け、取引プラットフォームで保管していた顧客26万人の仮想通貨NEM(ネム)580億円分が流出したことを明らかにした。被害金額は過去最高に上る。コインチェックの責任者は28日、自己資金ですべてのNEM保有者に合計460億円の補償を行うと約束したが、この事件が過熱する日本の仮想通貨市場に冷や水を浴びせかけることは確実だ。経済参考報が伝えた。
仮想通貨が流出したのは今回が初めてではない。2014年にも日本のビットコイン取引所マウントゴックスで85万ビットコインが流出し、時価総額は480億円に達した。仮想通貨取引所はネット遮断方式で顧客が購入した仮想通貨データを保管し、複数の暗号鍵を通じて送金する分以外はネットワークに接続できないようになっているのが一般的だ。だがコインチェックは価値の高いビットコインとNEMを別々の方法で管理し、ビットコインはセキュリティーレベルの高いネット遮断方式で保管し、NEMは顧客から委託を受けて保管する分と送金する分と全額がネットに接続している状態で、暗号鍵も1つしか設定していなかった。
早稲田大学ファイナンス研究センターの野口悠紀雄顧問はこの事件を「不可解」とした上で、「仮想通貨取引所が保管するデータはネットから遮断して、ハッカーの不正アクセスを避けるのが常識だ。今回の事件は仮想通貨取引所のシステムの問題ではなく、セキュリティー管理に隙があったためだ。投資家は巨額の仮想通貨を取引所のウォレット(電子財布)に置かない方がいい」と述べた。
NEMは新経済運動(New Economy Movement)の略。15年3月に誕生し、日本ではコインチェックをはじめ3つの取引所で取引されている。通貨単位はXEMで、投資家1600人に累計90億XEMが発行された。ビットコインと異なり、新規発行メカニズムはない。NEMは価格上昇でビットコインにやや後れを取ったが、17年には単価が270倍上昇して高騰した。今年1月にはビットコインの暴落を受けて、NEMも値下がりし、流出する直前の価格は1XEMが100円で、1月4日に記録した最近の高値のほぼ半分になっていた。
コインチェックの大塚雄介取締役は28日、「追跡調査により、同社は現在、580億円分のNEMの動きを把握している。流出したNEMに現金化などの痕跡はなく、取り戻せるかどうかを含めて検討中」と述べた。また、コインチェックはすでに国内外の取引所にNEMの取引停止の要請を出している。だが専門家の分析によると、「NEMは不特定多数の人の間で取引されるのであり、今、この巨額のNEMを完全に凍結できるかどうかは疑問だ」という。
日本の仮想通貨アナリストは、「この事件は仮想通貨取引所のセキュリティー管理の脆弱な一面を明らかにしたのであり、投資家が仮想通貨市場全体の危険性を考えたり、未来の市場を懸念したりするようになることは避けられない」と指摘する。
仮想通貨は2009年に誕生し、現在はビットコインを筆頭に1000種類以上があり、時価総額は59兆円に達する。ブロックチェーン技術を利用して偽造が難しいことから、未来の決済手段と言われ、投資家の間で人気を集めている。
仮想通貨取引所が徐々に増えるにつれ、世界規模で監督管理の強化を求める声が上がった。17年4月には、日本で資金決済法が改正され、日本は世界で初めてビットコインなどの仮想通貨を対象に法律を制定した国になった。これと同時に取引所に登録制を導入し、これまでに16業者が登録された。だが今回問題があったコインチェックは登録申請の段階にとどまっていた。
フランスのルメール財務相は1月18日に、「ドイツと連携してビットコインの監督管理を強化し、投資家を保護するメカニズムとマネーロンダリング(資金洗浄)への対策を構築することを提起する。今年3月に行われる主要20カ国・地域(G20)財務大臣・中央銀行総裁会議でも改めてこのことが話し合されるだろう」と述べていた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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