八牧浩行 2018年3月10日(土) 0時30分
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第13回「中国人の日本語作文コンクール」で、最優秀賞に選ばれた宋妍さんが、東京都内で会見した。作文のタイトルは「『日本語の日』に花を咲かせよう」。東日本大震災のビデオを観た衝撃と人々の支援の輪が広がったことが綴られている。写真は宋妍さん。
第13回「中国人の日本語作文コンクール」(2017年)で、最優秀賞(日本大使賞)に選ばれた宋妍さん(河北工業大学日本語学部4年生)が、このほど来日し東京都内で会見した。宋妍さんが今回最優秀賞を受賞した作文のタイトルは「『日本語の日』に花を咲かせよう」。2011年3月の東日本大震災のビデオを観た衝撃と人々の支援の輪が、大学内での活動を通して、広がったことへの感動が綴られている。「今、私の大学の人々は『花は咲く』を歌っている」と記し、この歌を歌えば「日本人の心を癒すことがきっとできるはずだ。今はまだ小さな活動だが、これが中国全土に広がり、いつか国境を越え、山を通り抜け、日本人の心に届くと信じている」と訴えている。
宋さんは会見で日本の印象を聞かれ、「小さなことにも目配りし、環境にやさしい国づくりを進めている」と指摘。その一例として「(夜間などに作動する)信号機の押しボタン」を挙げた。「日本の街のどこにでもあり、東京五輪を控えて外国人にも使いやすいよう工夫されている。生活する人のことを考える日本らしさの象徴だと感じた」という。
また大学のある天津市のコンビニでバイトした経験から、「日本のコンビニの方がお客に配慮し、きめ細かく対応している」と感心した。
宋妍さんが日本語を勉強し始めたのは4年前だが、英語の学習は小学校時代からスタート。将来の夢は語学を生かして「外交官になること」。北京大学大学院への進学も決まっている。
このコンクールは日本僑報社と日中交流研究所が主催。駐中国日本大使館、アジア調査会、中国日本商会などが後援した。中国各地の189の高校・大学から4031人が応募。292人が各賞を受賞した。
◆「中国人の日本語作文コンクール」最優秀賞作品『日本語の日』に花を咲かせよう」の一部抜粋は次の通り
「ある日の授業で見たビデオで、東日本大震災で被災者がどれだけ大きな被害にあったのか身にしみるほど感じた。そして、NHKで『100万人の花は咲く』のミュージックビデオの活動も知った。日本人はもちろん、オーストラリア人までもビデオを投稿した。外国人が歌うと、メロディーにあまり合っていない子供みたいな歌声だったが、いつの間にか、励ましの声が心の底に届き、私もやりたい思いにかられ、職業を問わず、大学構内にいる人に声をかけて誘ってみた。予想外に、歌ってくれた人は多かった」
「参加者が増え、中国人の運転手さんやケニア人の院生も参加してくれた。参加者の幸せな笑顔は、まるで花が鮮やかに咲き誇っているようだ。『花は咲く』という歌を歌えば、日本人の心を癒すことがきっとできるはずだ。今、私の大学の人々は『花は咲く』を歌っている。今はまだ小さな活動だが、これが中国全土に広がり、いつか国境を越え、山を通り抜け、日本人の心に届くと信じている」(八牧浩行)
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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