人民網日本語版 2018年3月21日(水) 10時0分
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世界的大手飲料メーカーのコカ・コーラはこのほど2017年の決算を発表した。純収入は354億1000万ドル(1ドルは約105.8円)で前年比15%減少し、純利益は12億4800万ドルで同81%減少した。
世界的大手飲料メーカーのコカ・コーラはこのほど2017年の決算を発表した。純収入は354億1000万ドル(1ドルは約105.8円)で前年比15%減少し、純利益は12億4800万ドルで同81%減少した。中国新聞社の公式微博(ウェイボー)「国是直通車」が伝えた。
コカ・コーラのこのような「思わしくない成績」は今回が初めてではなく、すでに5年連続で業績が低下している。
報道によると、コカ・コーラの12年の営業収入は480億ドルだった。それからの5年間、売上高は年々減少し、今では130億ドル近くまで落ち込んだ。
コカ・コーラは業績の大幅低下の原因として、16年に北米と世界各地で瓶詰飲料事業をライセンス契約の相手方企業に譲渡し、これが業績に大きく影響したと説明する。業界関係者の分析では、「コカ・コーラ社で炭酸飲料事業が占める割合は80%を超える。消費者の飲食習慣の変化や健康ニーズの高まりにともない、炭酸飲料の人気が徐々に下がり、コカ・コーラの業績を低迷させた」という。
注目されるのは、コカ・コーラの昔からのライバルのペプシコーラも同じように業績不振にあえいでいることだ。第3次消費バージョンアップがもたらした健康重視の概念が炭酸飲料産業を冷え込ませ、17年末現在、米国の炭酸飲料販売量は12年連続の低下となった。
中国の食品産業の研究員・朱丹蓬さんは、「炭酸飲料の業績の大幅低下は、中国はもとより世界の健康消費の一大ムーブメントの全面的な訪れを予感させる。『コーラの時代』は終わった」との見方を示した。
▽健康市場に打って出て、改良バージョンアップを目指すコカ・コーラ
年々低下する業績、縮小を続ける炭酸飲料市場を前にして、コカ・コーラは市場戦略配置の「大転換」を試みている。
コカ・コーラは17年にリストラを開始し、18年までに1200人を削減する予定だ。「リストラで削減できた経費は、少なくとも半分を炭酸飲料以外の事業への投資や合併買収(M&A)にあて、投資先企業の選択では、健康とエコに焦点を絞る」という。
コカ・コーラは実際、健康飲料に対する市場のニーズに対応するため、さまざまな新商品を打ち出し、過去3年間だけでもアジア・太平洋地域で500種類を超える新商品を発売してきた。ジェームス・クインシー最高経営責任者(CEO)は、「コカ・コーラは目下、全面的なオール飲料メーカーへのモデル転換を加速させ、ミネラルウォーター、ジュース、コーヒー、お茶などの新事業の開発を進めている」と述べた。
コカ・コーラは炭酸以外の商品配置を加速させると同時に、収益率の低い瓶詰飲料事業を切り離し、身軽になって次の戦いに挑もうとしている。
▽「アルコールはご法度」をやめモデル転換
コカ・コーラは従来のコア業務のほかに新たな可能性を模索しており、対象はジュース、コーヒー、お茶に限らず、アルコール飲料も対象になるという。
海外メディアの報道によると、市場での低迷状態を打開するため、125年にわたりアルコールはご法度だったコカ・コーラが、ついにアルコール飲料事業に乗り出すことになった。アルコール分野の第一歩は日本市場で踏み出すという。
コカ・コーラが参入するのは日本で成長を遂げるチューハイ飲料市場で、「ストロングゼロ」、「ハイボールレモン」、「スラット」などの日本ブランドが市場を主導している。コカ・コーラの上層部は、「今回の動きによりコカ・コーラは非常に競争の激しい市場に足を踏み入れることになる」と述べた。
コカ・コーラが日本を選んで事業を展開するのは、日本でのチューハイ市場の盛り上がりと無関係ではない。
公開された資料によると、チューハイは焼酎をソーダで割ったアルコール度数3〜8%の缶入りアルコール飲料で、日本では特に女性に人気があるという。市場調査データをみると、13年以降、チューハイ市場の全体的な成長率は5〜25%を維持し、大きな潜在力があることがわかる。
コカ・コーラ日本法人のホルヘ・ガルドゥニョ社長は、「今回の取り組みはコカ・コーラが特定の市場を対象に打ち出す適切な試みであり、チューハイ飲料が日本以外の地域で売り出される可能性はたぶんない」と述べた。
モデル転換でも模索でも、コーヒーでもお茶でもアルコールでも、コカ・コーラはできることは何でもやり、縮小を続ける炭酸飲料市場の中にいて衰退や落伍を何としてでも防ごうとしている。だが業界では、コカ・コーラは炭酸飲料が今なお主導的な地位を占めており、新商品の業績促進の効果はまだよくわからず、広告宣伝だけで大量の資金が使われている。コカ・コーラが「オール飲料時代」を切り開くまでには、長く苦しいモデル転換の時期を潜り抜けなければならないとの見方が広がる。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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