米中の貿易戦争、日本は針のむしろ―華字紙

Record China    2018年3月28日(水) 14時20分

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トランプ政権が中国に制裁関税を課すなど、米中の貿易戦争がエスカレートしているが、その中で日本は「針のむしろ」状態にあると華字紙が報じた。資料写真。

2018年3月27日、中文導報によると、米国トランプ政権は23日から鉄鋼・アルミ製品の輸入を制限するとともに、中国に対してはさらに知的財産権侵害で制裁関税を課すなど、米中の貿易戦争がエスカレートしている。その影響は世界中に拡大し、日本にも及ぶと予想されている。

トランプ大統領は鉄鋼・アルミ産業を守る目的で、鉄鋼製品には25%、アルミ製品には10%の関税を課した。最大の標的は中国。欧州連合(EU)加盟国と韓国など6カ国は除外されるが、日本は対象リスト入りした。

中国に対しては、繰り返される知的財産権侵害への措置として、少なくとも500億ドル(約5兆2800億円)相当の中国製品への関税も課せられることになった。さらに、世界貿易機関(WTO)に中国を提訴。これに中国も対抗措置をとるなど、米中間の貿易戦争が激しさを増している。

米国が中国に対して貿易戦争を引き起こす背景には、対中貿易で巨額の赤字が生じていることのほか、中間選挙が迫っておりトランプ政権には実績が必要になっていることもある。

そうした中、菅義偉官房長官は日本が鉄鋼・アルミ製品の関税対象にされたことについて、23日の記者会見で「極めて遺憾」と述べ、除外を引き続き働きかけていくとした。

しかし、共同通信は24日、働きかけと引き替えに日本はさらなる市場開放を求められるかもしれないと指摘。米国は日本との間で自由貿易協定(FTA)締結を求めているが、日本はFTA交渉には応じない方針をとっている。

米国の対日貿易赤字は688億ドル(約7兆2600億円)で、国別では3番目に多い。トランプ大統領はとりわけ日本の自動車市場が閉鎖的だと問題視しており、農産物市場についても市場開放を求めている。

1980年代の日米貿易摩擦において、日本は米国からたびたびスーパー301条の適用を示唆されたり、実際に適用されたりし、日本製品を米国から締め出された経緯がある。その後のバブル崩壊で経済が低迷する一因にもなったことから、日本では悪夢の再来を懸念する見方もあると記事は伝えている。(翻訳・編集/岡田)

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