短編動画アプリが中国で人気の理由とは?―中国メディア

人民網日本語版    2018年4月5日(木) 5時20分

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2000年生まれの大学1年生の陸千禧さんはベッドに横たわり、音楽短編動画アプリの「抖音(Tik Tok)」を開く。資料写真。

2000年生まれの大学1年生の陸千禧さんはベッドに横たわり、音楽短編動画アプリの「抖音(Tik Tok)」を開く。画面に次々と現れる歌やダンスを眺めては携帯を操作し、時おり笑い声をあげる。これが彼女の毎晩寝る前の日課だ。中国青年報が伝えた。

陸さんは昨年中ごろに同アプリのユーザーになってからというもの、短編動画を毎日チェックすることが、大いなる楽しみとなっている。また、自ら撮影した20本以上のダンス動画をアップしている。その多くがリズミカルで覚えやすい振り付け。しかし彼女のフォロワー数は自分がフォローしている数よりは少ないという。

「快手」や「Tik Tok」を始めとする短編動画アプリが近年、若者の間で流行し、すでに多くの人々の日常生活の一部になっている。「Tik Tok」の製品責任者は「Tik Tokユーザーの85%が24歳以下で、アクティブユーザーとユーザーのほとんどが95年以降生まれ、さらには00年以降生まれだ」と話す。

12歳の小●語さん(仮名、●は草かんむりに千)は、「Tik Tok」で260万人のフォロワーを持つ。幼稚園の頃からダンスが好きだった彼女は、昨年7月から「Tik Tok」の利用を開始した。最初のうちはジャズダンスの動画をアップし、時にはフィンガーダンスを披露することもあった。そんなダンス動画の1本が注目を集め、一夜にして百万人のフォロワーを獲得し、人気者になった。

小学6年生の小雪蓮さん(仮名)は、週末だけ彼女の大好きなフィンガーダンスを「Tik Tok」で見ることができるという。彼女は宿題を終えると、子供たちが特技を披露する短編動画の視聴を許される。彼女の母親も普段から同アプリで暮らしの裏技から料理や髪型セットのテクニックなどを学んでいるという。

22歳の小舟さん(仮名)は、英語を専攻する師範大学の大学生。数多くある短編動画アプリの中でも、彼女は「快手」をよく利用するといい、「短編動画の視聴時間は短く、個性にあふれている。それはまるでおやつのように、つまらない日常にとってのスパイスになる」と話す。

安徽外国語学院の21歳の学生は、「ふざけたナレーションの動画をよく見ている。なぜならこうしたユーモラスな動画のほとんどが日常生活を反映させている内容だから。気分転換が快手の動画を見る主な理由なので、大げさだったり奇妙な動画には興味がない」と話す。

◆理解されたい、認められたいと望む若者のニーズ満たす

中国科学技術大学伝播・科技政策学部博士課程在学者の李雅筝氏は、「物質的には比較的恵まれた環境で成長した若い世代は、個性的な面白さや美をより求めており、そのメディアに接する習慣が、すきま化の傾向を示している。そして現在の個性的で面白いという短編動画の特長は、流行を追い求めるのではなく個性を求めることを好むこの世代の特徴に合致している。彼らは短編動画を撮影することで、理解されたい、認められたいというコミュニケーションのニーズを満たしている。こうしたニーズはその上の世代の人々に比べ、より切実かもしれない」と指摘した。

安徽大学メディア系実験教育センター副主任、インターネット・新メディア専門教員の岳山氏は、「短編動画アプリが近年、多くの若者から好評を博しているのは、動画コンテンツが若者の間で流行っている文化に合致しているからだ。動画アプリは若者のすきま時間の視聴の需要に合わせてコンテンツ制作方針を決めている。ユーザーのすぐに表現したいという欲望、ソーシャル化された伝播のニーズを満たしている」と分析した。

抖音公司の関係者は取材に対して、「技術面の革新だけでなく、『Tik Tok』のような短編動画アプリは、自分を表現しアピールしたいという若者のニーズを満たし、彼らに精神的な喜びを与えている。これによりユーザー間で共鳴を引き起こし、自発的な伝播を促している」と説明した。

安徽大学社会・政治学部准教授の王雲飛氏は、「今時の若者は仕事と暮らしのテンポは速いが、短編動画はある一定の度合いにおいて、若者たちを膨大な情報から解放し、リラックスさせ、欲しい情報を入手することを実現している。そのため若者たちから好評を博しているのだろう」との見方を示している。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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