ソウル市が34億円を投じた「生きた博物館」、観光客が集まらず「幽霊村」に=韓国ネットからは前向きな声

Record China    2018年4月29日(日) 22時20分

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23日、韓国・朝鮮日報はこのほど「ソウル都心にある340億ウォンの幽霊村」との見出しで同地域の実態を伝えた。写真はソウル。

2018年4月26日、韓国・朝鮮日報はこのほど「ソウル都心にある340億ウォン(約34億円)の幽霊村」との見出しで同地域の実態を伝えた。

記事によると、ソウル市鍾路(チョンノ)区敦義門(トニムン)博物館村の9770平方メートル(約3000坪)の敷地には、韓国伝統家屋の韓屋(ハノク)と近代的な建物43棟が集まっている。ソウル市が税金340億ウォンをかけて既存の建物をリニューアルし、村全体を博物館のようにしたという。しかし、昨年9月の「都市建築ビエンナーレ」に合わせて開館するも、約半年の間で観光客はほとんど訪れていないという。そのため人々からは「都心の真ん中の幽霊村になった」という指摘が出ているそうだ。

また記事では、開館当初「価値ある建物を保存した生きた博物館」とうたっていたにもかかわらず、基本的な案内文すらないとも伝えている。ソウル市は「カフェ、ユースホステル、本屋が入る予定」と賃貸収入で投資予算を回収する計画を明らかにしていたそうだが、現在まで半分以上が空室だというのだ。一部入居している業者も大半が市で募集した工房で、集客にはつながっていないとされる。

その原因について、記事は「ソウル市と鍾路区が互いに敷地所有権を主張しているから」と説明。敷地は14年に敦義門ニュータウン組合が一区域にマンションを建設する条件で寄附採納したのだが、実際に予算をかけて建物を改築したのはソウル市。鐘路区が「市が一方的に用途を変更して建物を建てた。土地の所有権は鐘路区にある」と主張する一方で、ソウル市は「文化施設は財政と運営能力のある市が所有権を持たなければならない」という立場を示しているという。韓国では寄附採納した敷地が公園として使われると自治区に帰属するが、博物館のような文化施設は明確な規定がないため、対立が起こったとのこと。この他にも、市のずさんな運営実態に対する批判も提起されているそうだ。

これを受け、市の関係者は「最終竣工は20年であり、まだ臨時オープン状態なのであまり広報されなかった」と釈明しているという。

韓国のネットユーザーからは3000件近くものコメントが寄せられている。ソウルの朴元淳(パク・ウォンスン)市長に対し「歴史が息づく立派な文化遺産として全国民から愛されるよう、広報などの改善をお願いします」と願う声が上がるも、「まだ臨時会館状態なんだからもうちょっと待ってみようよ」「まだ工事中だって言ってるじゃん」など擁護意見の方が優勢だ。

一方、目立つのが6月13日に投開票される「統一地方選挙」関連のコメントだ。「なになに?ソウル市長候補の朴元淳(パク・ウォンスン)現市長の落選運動?」「そんなに選挙に介入したいの?」など同記事を報じた朝鮮日報を非難する声も見逃せない。

この他にも、あるユーザーが「建築ビエンナーレの時に行ったけど、きれいにつくられていた。広報をしっかりしてイベントと客を流入できる工夫をしたら、新たな観光地として十分に可能だと思う」と肯定的なコメントを寄せるなど、全体的に反応も上々のようだ。(翻訳・編集/松村)

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