人民網日本語版 2018年5月15日(火) 22時0分
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岩井俊二氏は上海で12日、自身の芸術創作について語った。写真は岩井氏。
日本の著名な映画監督・岩井俊二氏は上海で12日、「映画の撮影は、花を育てるのと一緒。種を撒いたあと長い間待たなければならない。根気強さが必要だ。音楽の場合は、もう少し楽しみがある。インスピレーションが沸いてくるままにしておけばよい。だが、私にとっては、両者は切っても切り離せないものだ。例えていえば、映画は油絵で、音楽は水彩画。プロセスは違うけれど、同じ場所に行きつく」と、自身の芸術創作について語った。新華社が伝えた。
岩井監督率いるバンドが13日夜、上海東方芸術センターで、「キシカンミシカン(既視感未視感)」コンサートを上演し、映画に登場する多くの自作の楽曲を披露した。会場にはスクリーンは設けられず、楽曲の旋律だけが流れた。
「Love Letter」や「スワロウテイル」から「花とアリス」、「リリイ・シュシュのすべて」まで、岩井監督の作品はいずれも青春期の成長や恋愛をめぐって揺れ動く心をテーマとしており、清新で耽美なビジュアルスタイルが多くのファンを惹きつけている。そんな彼は、中国の映画ファンから、「青春映画の大家」と讃えられている。また、岩井監督は、第14回上海国際映画祭アジア新人賞選考委員会の委員長を務めたこともある。
岩井監督の名は映画界では世に広く知られているが、彼の音楽に対する深い愛を知る人は少ない。彼が立ち上げたバンド「ヘクとパスカル」の名前は、物理学用語から取ったもので、3人でスタートしたメンバーは、数年前に6人に増えた。上海でのコンサートについて、岩井監督は、「キシカンミシカン(既視感未視感)」はフランス語で、『既視感』はは『実際は一度も体験したことがないのにすでにどこかで体験したことのように感じること』、『未視感』は『見慣れているはずの光景や物事がまるで未体験の事柄であるかのように感じられる』という意味だ。僕は、この2つの言葉によって、この20年あまりの自分の映画・音楽活動を貫くテーマを総括することができる」とコメントした。
実のところ、数年前から、岩井監督の映画作品とコンサートはいずれも、中国で「実を結んで」いる。はやくは2011年に、岩井監督の映画コンサートが北京・上海の両都市で開かれた。昨年は、「キシカンミシカン」が中国ツアーを実施しており、岩井氏が監督、香港の著名監督ピーター・チャン(陳可辛)氏がプロデュース、人気女優ジュウ・シュン(周迅)が主演をそれぞれ務める映画「ニーハオ、之華」が先週クランクアップし、ポスターが公開されて、後期制作がスタートした。ポスターでは、黒い服に身を包んだ主要スタッフ・キャスト3人が海岸をそぞろ歩き言葉を交わしており、青春を懐かしむムードが満ちあふれており、人々の郷愁を誘っている。
岩井氏は、「この10年間、僕はずっと中国で映画を撮ることを望んでいた。僕は中国文化の大きな包容力が大好きだ。中国人は、さまざまな物珍しい物事を受け入れる能力に長けている。中国では、優れた作品を発表するだけで、世間から認めてもらえる。また、中国の映画ファンは非常に情熱的で、ずっと私の新作を待っていてくれた」と話す。
そして、「喜ばしいことに、『ニーハオ、之華』という作品は、日本映画ではなく、正真正銘、中国語でつくられた映画だ。10年の時間を費やし、自然に生まれてきた作品であり、僕と中国との『縁』を代表している作品だと言える。映画でも音楽でも、どちらでも良い。これからも中国で成長し続けたい」とした。(提供/人民網日本語版・編集/KM)
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