南シナ海が大国の覇権争いの新たな土俵に―SP紙

Record China    2012年4月27日(金) 16時5分

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25日、シンガポール紙は、豊富な海洋資源を有し、海洋貿易の重要なルートでもある南シナ海が、米中に代表される大国の覇権争いのための土俵となる可能性があると報じた。写真は12年4月、中ロ合同海上軍事演習のため山東省青島市に到着した両軍。

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2012年4月25日、環球時報(電子版)によると、シンガポール紙ザ・ストレーツ・タイムズは、豊富な海洋資源を有し、海洋貿易の重要なルートでもある南シナ海が、米中に代表される大国の覇権争いのための土俵となる可能性があると報じた。

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あるアナリストは、中国が自国の庭と見なしている南シナ海水域は大国による覇権争いの新たなグランドに変化しつつあると指摘。南シナ海がかつてのバルカン半島のように大国の代理戦争の場所になるのではないかと多くの人が懸念している。

米国は南シナ海に面した海域でフィリピンとの軍事演習を実施し、ベトナム海軍とも交流を進めている。世界最大の天然ガス生産・供給企業であるロシアのガスプロムは今月、南シナ海の資源に関してベトナムと共同開発契約に調印した。インドも昨年、ベトナムと同様の資源開発契約を締結した。さらに、日本も東南アジア諸国のインフラ施設への長期にわたる投資によって、同地域で大きな影響力を持っている。

シンガポール東南アジア研究所の上級研究員イアン・ストーリー氏は「世界の海洋貿易の3分の1はこの海域を通過しなければならず、大国はこの海上ルートを制御したいと考えている」とし、「新型戦艦の投入など、同エリアは一層込み入ってきており、海上で死者を出す衝突が発生するのは時間の問題だろう」と指摘した。

一方、中国と南シナ海で領有権を争う東南アジア諸国に関して、別のアナリストは「世界のいずれの大国も、この海域の希少な資源を中国に独占させたくないと考えており、この点については東南アジア諸国の支持を得ている。これらの国は問題を国際社会に訴えることによって自己の主張を強化してきた」と語る。

華東師範大学の外交政策専門家・楊成(ヤン・チョン)氏は「大国間の争いを利用して、東南アジア諸国が何らかの利益を得る可能性がある」とし、フィリピンがスカボロー礁(中国名:黄岩島)で中国とのにらみ合いを続けるという強硬策を採用しているのもこの影響だと推測する。

また、中国の国内事情によって問題が複雑化する可能性を指摘する専門家もいる。国際危機グループ(ICG)の専門家は「一部の組織はより多くの予算獲得を目的としており、経済成長にのみ注目している。こうした行為が同水域での争いを引き起こす可能性がある。彼らの動機は国内的なものであるが、その行動の影響はますます国際化するだろう」と分析している。(翻訳・編集/HA)

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