中国人科学者が混元獣を発見、有袋類動物の歴史を書き換える―中国メディア

人民網日本語版    2018年6月15日(金) 21時0分

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中国人科学者は内モンゴル自治区で発見した今から約1億2600万年前の哺乳類の化石を「混元獣」と名付け、かつ混元獣が人類などの有胎盤類の哺乳類の古い祖先にあたるとしている。

中国人科学者は内モンゴル自治区で発見した今から約1億2600万年前の哺乳類の化石を「混元獣」と名付け、かつ混元獣が人類などの有胎盤類の哺乳類の古い祖先にあたるとしている。これまでカンガルーなどの有袋類の哺乳類の祖先は、混元獣と同属のシノデルフィスと考えられていた。新たな研究は、有袋類がアジアを起源とするという結論を揺るがしており、世界的に有名な学術誌「ネイチャー」(電子版)は北京時間14日にこの成果を発表した。新華社が伝えた。

中国科学院生物進化・環境卓越革新センターが発表した情報によると、同センターの科学研究チームは雲南大学の畢順東(ビー・シュンドン)教授と協力し、現在までに見つかっている化石の中で保存状態が最高の初期白亜型哺乳類の化石を研究した。それにより混元獣が真獣下綱(有胎盤類及びその祖先)の早期の類型であり、その発育には真獣下綱と後獣下綱(有袋類及びその祖先)が混合した特徴を備えていることを発見した。

胎盤類と有袋類は哺乳類の種の99%を占める。その起源がどこからきて、いつ分化したのかは、哺乳類の進化の研究における重要な科学的問題だ。科学研究者は、「この研究結果には重大な科学的意義がある。中国の有袋類が真獣類に属するという新たな結論は、アジアが有袋類の起源ではないことを示しうる」と指摘した。現時点で最も古い有袋類の化石は、北米で発見された1億1000万年前のデルタテリディウムとなっている。

混元獣の化石は内モンゴル自治区寧城県の義県組下部地層で見つかった。これは今から1億2600万年前の熱河生物群の哺乳類となる。この20年間で中国東北地区の熱河生物群では120属・種以上の脊椎動物の化石が見つかっている。新たに見つかった混元獣は保存状態が良好で、その構造は極めて精巧となっている。研究者は高精度CTスキャン技術を利用し、岩に埋まった状態の化石の骨格をデジタル化・3D再構築し、すべての骨の形態的特徴をほぼ復元した。これを踏まえた上で研究チームは3年間をかけて、56の古代哺乳類分類単元と、400以上の形態学的特徴を備えた大型データバンクを構築し、古代哺乳類の系統樹を確立した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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