Record China 2012年5月29日(火) 18時9分
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28日、中国で下水道の廃油や残飯などを原料とした「地溝油(下水油)」が、実は食用油としての検査基準を軽々とクリアしていたことが分かった。写真は4月、浙江省台州市で摘発された地溝油の製造拠点。
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2012年5月28日、中国で下水道の廃油や残飯などを原料とした「地溝油(下水油)」が食用油として市場に出回っていることが大きな社会問題となっているが、実はこれら「地溝油」は食用油としての検査基準を軽々とクリアしていたことが分かった。南方日報が伝えた。
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「地溝油」の精製方法は千差万別で、その成分も一定していない。下水からすくった廃油や残飯を水できれいに洗い、蒸留、脱色などの加工を施したり、本物の食用油と混ぜたりすることにより、視覚や味覚を使った官能検査や理化学検査を難なくクリアしてしまうというから厄介この上ない。
2011年に公安部が摘発・押収した「地溝油」から採取したサンプル10点のうち、食用油として基準に満たなかったのはわずか2点。同年末に重慶で摘発された事件でも、警察の調べで「地溝油」であることは明らかなのに、中国政府が定める食用油の検査基準ではほぼすべてが「合格」だった。
最後の砦ともいうべき検査で引っかからなければ、そのまま市場に流れてしまう。中国政府が定める「食用植物油の衛生基準を調べる分析方法」(GB/T5009.37−2003)によれば、検査基準は官能検査、水分含有量、酸価、過酸化物価、カルボニル価、ヨウ素価など。
だが、江蘇省泰州市疾病予防コントロールセンターの劉波(リウ・ボー)氏によると、「地溝油」はアルカリ処理や脱水、脱色、脱臭などの処置を施せば、こうした基準はクリアしてしまう。通常の検査では判別しにくいというのが現状のようだ。国家食品安全リスク評価センターの王竹天(ワン・ジューティエン)氏も「今の地溝油は精製レベルが非常に高い。もはや我々の想像を超えている」と頭を抱える。
「地溝油」はヒ素の百倍も毒性が高く、地上最強の発がん性物質とも呼ばれるアフラトキシンが含まれている。今もどこかの家庭やレストランで検査をクリアした「地溝油」が食用油として使われている可能性は否定できない。(翻訳・編集/NN)
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