Record China 2012年5月31日(木) 21時6分
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29日、日本円と人民元の直接取引が6月1日から始まることを受け、中国の名門、復旦大学経済学院の孫立堅副院長が「中日通貨の自由取引の実施は誰にとって有利なのか?」と題した記事を中国のブログサイトに掲載した。写真は日本円と人民元。
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2012年5月29日、日本円と人民元の直接取引が6月1日から始まることを受け、中国の名門、復旦大学経済学院の孫立堅(スン・リージエン)副院長が「中日通貨の自由取引の実施は誰にとって有利なのか?」と題した記事を中国のブログサイト・網易博客に掲載した。以下はその内容。
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人民元が米ドル以外の通貨と直接取引するのは、これが初めてだ。日中両国は米国にとって最大の債権国であり、米国や欧州は東アジアの外貨準備高やそれが支える経済力にかなりの関心を寄せている。米国が力を入れるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の枠組みも東アジア経済の重要性をはっきりと示している。
中国は東アジアにおける協力体制において主導権を握り、有利なチャンスを活かして自らの金融体制を強化する必要がある。国際通貨システム改革は実体経済の発展を軸とした人民元の国際化を進めるはずだが、この大きなチャンスを逃してしまえば、中国は今後このことで深く嘆き悲しむことになる。
注意すべきは今回の日本円と人民元の価格メカニズムは、顧客がマーケットメーカーと売買を行う相対(OTC)取引になるという点だ。中国企業にとっては取引コストの低下というメリットがあり、対日投資熱が高まるだろう。日本の対中貿易における輸出超過もある程度は改善されると思われる。中国政府にとっては、東アジア金融協力の推進と人民元の国際化が図れるといったメリットが大きい。
人民元と日本円のレートの動きは今後どうなるか。短期的には以下の2つの相反する力がそれを決定づけるといえる。(1)為替リスクがなくなることにより、日本製品の中国における価格競争力が向上。日本の対中貿易の輸出超過による人民元切り上げ圧力が緩和される。(2)リスク回避の円買いが強まる中、ギリシャ問題の悪化や欧州情勢の不安定化といった事態になった途端、瞬く間に円高が進む。
地域通貨の先導者として中国の貨幣政策はさらなる自律性と金融システムの透明化が求められるだろう。中国にとって、これは諸刃の剣になる。人民元がアジアの基軸通貨に選ばれるかどうか、まずはこの地域の決済通貨になれるかどうかがカギになる。金融危機でドルの地位が揺らいでいる今こそ、人民元による決済ネットワークを広げるべきだ。米国も当時、第2次大戦で英国の決済ネットワークが崩壊したすきに世界の舞台にのし上がったではないか!(翻訳・編集/NN)
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