Record China 2018年6月23日(土) 1時40分
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江西省九江市都昌県で、業務内容を環境保護設備の開発などとする「環境保護公司」が生活ごみの処理を請け負ったところ技術力が伴わずに処理できなくなり、少なくとも1万トン近くを違法に埋めていたことが分かった。
江西省九江市都昌県では18日、違法に埋められたごみの撤去作業が始まった。地元企業が生活ごみの処理を請け負ったが技術力不足のために処理できず、大量に埋めていたという。問題を起こしたのは源生環保科技有限公司で、会社登記上の業務内容には環境保護設備の開発などと列記。社名に「環保(環境保護)」の語を盛り込んでいる地元の「スター企業」だった。中国メディアの毎日経済新聞が伝えた。
源生環保は2014年までに、都昌県城で発生する生活ごみ処理を請け負うことを決めた。当時の公文書には、同社の請け負いを認めると同時に、試験操業を3カ月行った上で、処理物が基準を満たしていなかった場合には、正式操業を認めないと書かれている。
源生環保の現地施設のごみ処理能力は1日当たり300トンとされていた。現地メディアは当時、「江西省初の、嫌気性発酵技術でごみ処理を行う企業」などとして、同社を“スター企業”扱いで報じていた。同社は会社登記上の業務内容を「環境保護設備の開発、設計製造、資源ごみの回収と再生、都市部の廃棄物総合処理」などとしている。
ごみ処理場の着工は2015年1月で、16年3月には試験操業が始まった。しかし処理物が基準を満たしていなかったため、同社自慢の発酵技術を用いたごみ処理は認められないことになった。
源生環保はそのため、他の企業と提携して敷地内に焼却施設を建設してごみを焼却することにした。しかし、県内で出る生活ごみが多い場合には1日当たり100トンを超えるのに対し、源生環保の処理能力は10トン前後で推移した。
ところが源生環保は2017年10月以降、都昌県城以外の3地域のごみ処理も請け負った。ごみ処理能力が向上していないにもかかわらず、処理場に運び込まれるごみの量は1日当たり120トン以上になった。源生環保はそのため、他地域の処理場にごみの処理を依頼するようになった。ただし、相手地域の行政の意向もあり受け入れてもらえるごみの量は安定せず、数日間にわたり停止される場合もあったという。
源生環保は2016年には違法なごみ埋めを始めていた。これまで2回にわたり、それぞれ2万元(約34万円)と10万元(約169万円)の罰金が科せられている。処理場敷地内や、近くの山林でごみを埋めていたとされる。中央政府査察団からは、「罰金の額が低すぎた。だから繰り返して違法行為をすることになった」「企業責任者の刑事責任も問うべきだ」との強い声が出たという。
2018年4月ごろには、近隣住人が異臭を感じるようになった。また、現場近くにある●(「番」におおざと)陽湖は2016年に、水質の悪化のため国の監視対象になっているが、最近になり派遣された中央政府の同湖査察団も、湖岸の近くで大量のごみが埋められていることを確認。源生環保が埋めたものであることが判明したという。
18日に始まった埋められたごみの撤去作業では21日までに8000トン近くのごみが取り除かれたという。そのため、毎日経済新聞は埋められたごみの量を「1万トン近く」と表現した。しかし、違法に処理されたごみの量については不明な点も大きい。中央政府の査察団によると、2017年10月から18年6月までに都昌県で出た生活ごみは5万5000トン。うち、焼却などルールの範囲内で処理されたごみと違法に埋められ回収されたごみの合計は2万8500トン前後。つまり2万6500トン程度のごみが、現在も「行方不明」という。(翻訳・編集/如月隼人)
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