中国の人口マイナス成長率、2060年に日本を超える予想―中国メディア

人民網日本語版    2018年7月9日(月) 7時30分

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中国社会科学院世界社会保険研究センターの鄭秉文教授は日中の人口発展の動向を比較し、「2020年以降、中国の人口はマイナス成長に転じ、60年にはマイナス成長率が日本を超えると予想されている。計画出産の人口抑制効果は明らか」と指摘した。写真は中国の親子。

中国社会科学院と日本学術振興会が6月に北京で共同開催した「中日連携による高齢化社会への対応:ロードと未来」国際学術フォーラムで、中国社会科学院世界社会保険研究センターの鄭秉文(ジョン・ビンウェン)教授は、「中日の高齢化対応策の比較——老後の保障体系を合わせて考慮する中国のプラン」と題する基調講演を行った。人民網が伝えた。

鄭教授はまず、世界銀行のデータを基にして、日中の人口発展の動向を比較し、「2020年以降、中国の人口はマイナス成長に転じ、60年にはマイナス成長率が日本を超えると予想されている。計画出産の人口抑制効果は明らか」と指摘した。

日本は高齢化に対応するために、1995年に「高齢社会対策基本法」を制定し、高齢社会対策を総合的に推進するために、内閣総理大臣を会長とする高齢社会対策会議を設置した。同会議は65歳まで働くよう奨励し、意欲があれば65歳を超えても働き続けられる環境を整備するための政策を打ち出してきたほか、100年先まで高い精度で試算する報告制度を確立し、国民年金体系の継続的な運行促進や、高齢者が自分の努力で収入を確保できる環境、長期にわたる介護保険制度などの構築、サービスのクオリティー向上などを図ってきた。

中国は1999年10月に全国老齢工作委員会を立ち上げ、国務院副総理または国務委員が主任を担当し、30以上の部・委員会が参加している。また、05年には、常設機構・全国老齢工作委員会を立ち上げ、民政部の部長が主任を担当し、高齢化対応業務の調整を担当している。政府の主導の下、市場と社会が重要な役割を果たすことが必要だ。市場の役割には、資金源とサービスを提供し、年金の三大支出投資体制の整備、民間資本のシルバーサービス業への進出奨励などが含まれる。

年金保障の面で、中国は複数の層の混合型年金保障制度を構築している。また、主権養老基金が 2000年に成立され、基金は現在すでに総額2兆2000億元(約37兆2000億円)

規模になっている。第一層は 9億人以上をカバーし、法定人口8000~9000万人が未加入の状態だ。第二層の企業年金と第三層の個人商業年金も発展段階にある。そして、16年、試験ポイントを設置して長期介護保険制度の施行が始まった。医療保障の面では、複数の層の医療健康体系、「健康中国」の全体的な枠組みを構築している。第一層は、都市部と農村部の労働者・住民向けの国の基本医療保険で、さらには大病保険と労働者大病保険、公務員医療補充にまで拡大している。第二層は、企業補充医療保険、企業団体保険で、第三層は個人税収優待型商業健康保険、税収優待のない健康保険などがある。

日中を比較すると、日本は17年の出生数が100万人を割り、世界銀行(17年版)の統計より下回り、人口転換はすでに第五段階に突入しているのに対して、中国の人口転換は第四段階の後期に位置している。高齢化への対応において、中国政府は高齢化という課題の宣伝を重視し、社会的な共通認識を形成しなければならないほか、制度を整備し、実施の段階のビジョンも必要だ。

今回の国際学術フォーラムは日中平和友好条約締結40周年を記念する重要な行事で、中国社会科学院の李培林(リー・ペイリン)副院長、在中国日本大使館経済部の飯田博文公使、中国社会科学院日本研究所の劉玉宏(リウ・ユーホン)副所長、日本学術振興会北京研究連絡センターの広田薫センター長らが開幕式に出席してあいさつした。日本の厚生労働省、国立社会保障・人口問題研究所、経済産業研究所、東京大学中央大学、中国国家発展改革委員会、民政部、中国社会科学院、全国日本経済学会、中国人民大学、清華大学、吉林大学、天津社会科学院などの政府機関、大学、研究機構の専門家、及び中国の高齢者介護分野の第一線で活躍する経営管理者、メディアの代表ら、計約100人が出席した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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