「たった1回の試験結果が将来を決めるなんて」現行の大学受験制度にNOを叩きつける教育機関長―中国

Record China    2012年7月6日(金) 5時58分

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2日、中国の教育界で「最も大胆で革新的な思想の持ち主」とされる雲南省教育庁の庁長が、「たった1枚の答案用紙で学生の運命を左右してしまうのは不公平だ」と発言した。大学受験制度の改革を呼びかけている。写真は山東省済南市、全国大学統一入試の試験会場。

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2012年7月2日、中国の教育界で「最も大胆で革新的な思想の持ち主」とされる雲南省教育庁の羅崇敏(ルオ・チョンミン)庁長が、「たった1枚の答案用紙で学生の運命を左右してしまうのは不公平だ」と発言した。三秦都市報の4日付の報道。

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これは、中国の大学受験制度に対する疑問を投げかける発言。学歴社会にあって、厳しい受験戦争に疲弊している中国の学生たちだが、大学を卒業したかどうかは現実問題として、将来の就職機会などで大きな格差となって現れる。そして、中国の現行の受験制度では、すべての大学受験生は「高考」と呼ばれる全国大学統一入試を受験することになっている。志望校別・学部別の試験は設けられておらず、このたったひとつの試験結果によって全志望校の合否が決定するシステムだ。

「たった1回の試験が学生の将来を決めてしまってはならない」そう考えた羅庁長は2009年、省内で行われる高校統一入試制度の廃止を起案、2012年よりこれを施行した。これまでは大学入試と同じく、1回のみの統一試験が行われていたが、今後は以下の3項目を総合的に評価することになる。1)中学在校時の3年間における7科目の試験結果。この7科目には社会実践などの科目も含まれる。2)中学在校時の3年間における素養・素行の総合的評価。3)各志望校における個別の入学試験の結果。

数字で評価できる項目はよいとしても、抽象的な項目の評価についてはどう公平性を保つのか?この点が大きな問題になってきそうだが、羅庁長は「素養・素行の総合的評価については在学中に定期的に行い、その結果を学生本人に明示して確認を求める。異議のある者は学校側や教育委員会に再審査を求めることができる」と回答している。

羅庁長によると、全国の学生のうち、いわゆる名門校・難関校に進学する学生は全体の1割。しかし、その1割の学生全員が“優れた人材”とは限らない。羅庁長は過去10年間、難関大学に合格した24人のその後を追い続けた。結果、彼らが社会に出たのち、必ずしも抜きんでた活躍をしているわけではないことを確認したという。そこで、いわゆる試験の成績だけでなく、各学生の個性や得意分野を評価する制度を強く求めているわけだ。現行の受験制度を全面的に批判するわけではない。ただし、これを学生を評価する「唯一の指標にしてはならない」と強調する。(翻訳・編集/愛玉)

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