Record China 2019年5月18日(土) 6時40分
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韓国経済がますます悪化の兆しをみせている。対ドルのウォン相場は4月下旬から急落。4月の失業率は全体、若年層ともアジア通貨危機の影響が残っていた2000年以来19年ぶりの高水準となった。写真はソウル。
韓国経済がますます悪化の兆しをみせている。対ドルのウォン相場は4月下旬から急落し、韓国紙は「経済危機に直面したアルゼンチンなどと同水準で深刻な危険信号」と警告。4月の失業率は全体、若年層ともアジア通貨危機の影響が残っていた2000年以来19年ぶりの高水準となった。
韓国経済新聞によると、ウォン相場は昨年7月からの9カ月間にわたり1115~1135ウォン水準のボックス相場で推移していたが、4月下旬から急激なウォン安傾向に転じるとほぼ連日年初来安値を塗り替えている。10日には取引時間中に1182.90ウォンまでドル高が進み、2107年1月17日以降2年4カ月ぶりのウォン安となった。
ウォン安は一段と進み、16日の終値は1191.5ウォンで17日の寄り付きは1192.2ウォン。このため、為替差損を懸念した外国系資金が韓国市場から離脱することにならないかとの懸念が頭をもたげている。
通常ウォン安になれば輸出は好調となるが、輸出はこの5カ月連続で減少した。半導体輸出不振に主力輸出市場である米国と中国の貿易摩擦の影響が重なったためだ。そうでなくても内需景気が低迷する中で輸出までウォン安の恩恵を受けられず、韓国の経済体力に対する悲観論が広がり、これがウォンをさらに引き下げている格好だ。ここにしばらく水面下にあった対北朝鮮リスクが再び浮上した点もウォン安をあおったとみられる。
今後の見通しについて、専門家は「為替相場は短期的に米中貿易交渉の進展状況に沿って動く」とみる。交渉妥結が不透明になる場合、「ウォン安は手の施しようもない状況になる可能性もある」とも予想。韓国通貨当局の当面の防衛ラインとする1200ウォンに迫りかねないとの見方もある。
一方、聯合ニュースによると、韓国統計庁が15日に発表した雇用動向で、4月の失業率は4.4%となり、前年同月比0.3ポイント悪化した。若年層(15~29歳)の失業率は0.8ポイント悪化の11.5%。いずれも4月としては、アジア通貨危機後の00年以来の高い失業率となった。
4月の失業者数は124万5000人で、1年前に比べ8万4000人増加。4月では00年以来の高水準だった。これについて、統計庁の担当課長は「昨年は3月にあった地方公務員採用試験の受け付けが今年は4月に後ろ倒しになった影響で失業者数が増加し、失業率も上がった」と説明した。
昨年1月まで20万~30万人台だった就業者の増加規模は、昨年2月に10万4000人まで急減したのに続き、今年1月の1万9000人まで12カ月連続で振るわなかった。2月に26万3000人、3月には25万人と回復傾向を見せたが、4月は17万1000人にとどまり停滞した。統計庁は「卸売と小売業の就業者数が7万6000人減って影響を受けた」と分析しているという。(編集/日向)
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