日本車に再び不祥事、日本経済の足を引っ張るか―中国メディア

人民網日本語版    2018年8月19日(日) 6時10分

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9日、日本の自動車メーカーのマツダとスズキは燃費性能検査と排気ガス検査で不適切な行為があったことを認め、マツダは国土交通省に報告書を提出した。資料写真。

9日、日本の自動車メーカーのマツダとスズキは燃費性能検査と排気ガス検査で不適切な行為があったことを認め、マツダは国土交通省に報告書を提出した。国際金融報が伝えた。

海外メディアが伝えたところによると、同省が最近、日本のすべての自動車メーカーの排ガス検査プロセスについて調査を行った際、両社の不正が発覚したという。

同省がスズキの2012~18年に製造した自動車1万2819台について抜き取り検査を行ったところ、5401台で速度基準のルールなどに問題があったことがわかった。マツダの抜き取り検査では、1875台(16~18年製造)のうち72台に同様の問題がみられた。

日本の自動車メーカーの不祥事が発覚したのは今回が初めてではない。

今回の同省の調査でマツダも日系メーカーの「不祥事組」の仲間入りをし、乗用車8社のうち問題なしとされたのはトヨタホンダなど2社だけだった

■日系車の神話崩壊へ

中国市場で消費者が車を買おうとする時、親戚や友人や4S店(ディーラー)までこぞって「日系車がいい。品質がいいし、(小さな)トラブルが一番少ない」と勧める。日本製品びいきは他の分野にも広がり、消費者の中には日本の技術者は匠の心を追求し、何事にも非常に慎重で、できあがった製品の品質は素晴らしく、便座や炊飯器などは中国のものより優れていると考える人もいる。

日本製品の中には中国の同類製品をはるかに凌駕するものが確かにあり、製造業分野では日本人の慎重さが際立つ。学術関係者によると、「日中両国の技術者や製品にこれほど違いがある原因は、日本民族が資源の利用、製造の細部、効率の向上を非常に重視していることにある」という。

自動車について考えると、ベンツが自動車を発明し、フォードがライン生産方式を発明したのに続き、トヨタは自動車産業の第2次産業革命といえる「トヨタ生産方式」、すなわちスタートから完成まで、各段階で品質と効率を重視するやり方を発明した。トヨタは現在打ち出す生産システム「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー」(TNGA)も含め、設計、研究開発、製造、販売の各段階で品質と効率のさらなる向上を包括的に目指している。

日系車メーカーは中国市場で生産方式と製造プロセスのパッケージ型事業や宣伝を展開するようになり、日本製品に対する消費者の好感度と信頼度が上昇した。トヨタの「トヨタ生産方式」、ホンダの「技術へのこだわり」や「匠の心」、マツダの極限の技術の飽くなき追求などのイメージが情報伝達の中で絶えず拡大され、ひいては社会各界の日本製品に対する認知のラベルとなり、日系車は品質が高くて故障が少ないというイメージはほぼ社会の共通認識だ。イメージがさらに進行すると「匠の心神話」になる。

だが実際の社会において神話は通用しない。日系車メーカーが起こした不祥事は匠の心に背くものであるし、日系車の認知度はそれほど高くない。米調査会社J.D.パワーが作成した品質番付では、日系車のレクサスが長らく自動車信頼性評価(VDS)の首位を独占してきたが、ポルシェや起亜などのメーカーは長く新車初期品質評価(IOS)で上位を独占してきた。

■日本経済の足を引っ張るか

業界関係者の間では、日系車の相次ぐ不祥事が適切に解決されなければ、日系車の世界市場の中でのイメージを損ない、売上や利益にも影響が及ぶとの見方が一般的だ。

米経済誌フォーブスが選ぶ15年日本上場企業トップ2千社をみると、純利益が30億ドルを超えたところは13社あり、うちトヨタが191億ドルでトップ、三菱UFJフィナンシャル・グループが106億ドルで2位となり、100億ドルを超えたのはこの2社だけだった。

日本の製造業の企業では、トラック事業を手がける日立グループも自動車メーカーに含めると、純利益の上位5社はすべて自動車メーカーになる。1位はトヨタ(191億ドル)、2位はホンダ(56億ドル)、3位は日産(43億ドル)、4位は三菱(38億ドル)、5位は日立(30億ドル)だ。

マツダ(純利益18億ドル)、いすゞ(11億ドル)、鈴木(10億ドル)を含む7大自動車メーカーの利益総額は367億ドルに達する。経済に詳しい深センの寧南山さんは以前に発表した文章の中で、「自動車産業チェーンの川上から川下にいるタイヤ、ガラス、鉄鋼、関連部品のメーカーの利益も合わせた利益総額は、日本の製造業トップ2000社の利益のほぼ半数を占める」と指摘した。

ここ2年間に日系車のスキャンダルが相次いだため、関連メーカーの製品の中には日本国内の販売量が減少したものもある。17年には日産の普通車の国内販売量は15万6046台で前年比3.7%減少した。三菱の軽自動車は1万1254台で同12.41%減少し、スズキの普通車は8916台で同7.05%減少した。

マツダとスズキの測定検査の不祥事について、石井啓一国交相は、「自動車ユーザーなどに、車両の性能や自動車メーカーの品質管理体制に対する不安を与えかねない事態であり極めて遺憾」とコメントした。日本の自動車メーカーがこうした問題を解決できなければ、影響が及ぶのは自動車メーカーにとどまらず、日本企業の匠の心という対外的イメージにも影響し、さらには日本経済にも影響を与えることになる。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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