人民網日本語版 2018年9月7日(金) 12時20分
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この夏、漫画家・清水茜の漫画「はたらく細胞」のテレビアニメ版が世界中で大ヒットした。中国の動画共有サイト「bilibili」の新作再生回数ランキングでは現在もトップをキープしている。
この夏、漫画家・清水茜の漫画「はたらく細胞」のテレビアニメ版が世界中で大ヒットした。中国の動画共有サイト「bilibili(ビリビリ)」の新作再生回数ランキングでは現在もトップをキープしている。また、日本の生物の授業でも使われているほか、医学界の専門家の間でも好評を博している。中国青年報が報じた。
ヒトの体内には37兆2千億個もの細胞が年中無休で働いており、体は細胞にとって工場のようなものだ。清水茜は、数が最も多い赤血球を赤い帽子をかぶった宅配便スタッフのようなキャラクターにしたてており、彼らは血管の中で、酸素や二酸化炭素をせっせと体中に運ぶ。また細菌やウイルス、寄生虫が体内に侵入すると、血管内をパトロールする「警備部隊」の白血球がそれを見つけるや否や鬼神の如く戦う。
このようにどんな小さなハプニングでも、体内では大きな災難となりかねない。
清水茜の手にかかれば、ちょっとしたすり傷は、赤血球の目の前で突如大規模な爆発が発生し、ぽっかり大きな穴が出現するという「大事件」になり、刺身に潜む寄生虫・アニサキスは、ミクロの世界では怪獣のような姿で胃壁を食い破って大暴れ。直径わずか30ナノメートルのスギ花粉が体に侵入すると、星が地球に激突するかのように免疫細胞が過剰反応し、アレルギーを引き起こすといった具合だ。
そうしたストーリーが展開する漫画「はたらく細胞」はある「偶然」から誕生している。それは清水茜の妹が学校の授業で細胞のことを習っている時に、「これ(細胞)をマンガにして覚えたいから、読み切りを1本書いてほしい」と頼んできたことがきっかけだったといい、まさに姉の妹に対する「愛の産物」がこの作品を生んだということになる。また同作品は細胞を擬人化しているが、その手法について清水茜は2006年に冥王星が太陽系の惑星から外された際、それをなんだか不憫だと感じ、惑星を擬人化してキャラクターにした漫画を描いた経験を活かしているという。
こうして清水茜は妹のアイデアを採用し、いろいろ調べながら、ストーリーを考え、細胞をキャラクター化したおもしろい漫画を仕上げていった。
近年、科学普及漫画では「擬人化」という手法がよく用いられている。例えば漫画「宝石の国」では、知恵や感情を持つ宝石が登場し、アニメ映画「インサイドアウト」の主役は人の5種類の感情を擬人化しており、アニメ「バクテリアウォーズ」は善玉細胞と悪玉細胞による壮絶な全面抗争を描いている。「はたらく細胞」もただ単に面白さのみを追求するのではなく、きちんとした科学的知識を基に描かれている。
清水茜は取材に対し、「作品で題材にする怪我や病気は年齢や性別が特定されないものを中心に描いている」と話す。どの「戦い」も誰にでも起こりうるものであり、誰もが共感できる内容になっているのだ。
そして戦いが終わると、毎回小さな「血小板」が現れ、戦場をきれいにしてくれる。実際の血小板の大きさもわずか1-4マイクロメートルだが、「はたらく細胞」でも幼い子供の姿をしたキャラクターとなっており、集団になって血栓を作り傷口を塞ぐ。
落ち込んだり、元気が出ない時には、体の中で頑張っているこうした細胞たちを思い出してみよう。細胞たちは体の中や血管の中で、年中無休で働いており、私たちの命を支えてくれている。細胞たちは、自分の功績をひけらかすこともなく、働き続けてくれているのだ。(編集KN)
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