龍門石窟から盗難の疑いある仏頭彫刻が米国でオークション出品、競売前に取り消し―中国メディア

人民網日本語版    2018年9月18日(火) 20時40分

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12日、ニューヨークのサザビーズオークションの会場に仏頭彫刻が登場した。20世紀前半に河南省洛陽の龍門石窟から盗まれた仏頭と非常に似ていることで注目を集めた。

米国時間12日、ニューヨークのサザビーズオークションの会場に仏頭彫刻が登場した。20世紀前半に河南省洛陽の龍門石窟から盗まれた仏頭と非常に似ていることで注目を集めた。これに対し、洛陽龍門石窟研究所の担当者は、本物を見ていないため正確な判断はできないが、写真と比較すると、オークションに出品された仏頭彫刻は1720窟の仏像とよく似ていると語っている。しかしオークションを前に、この仏頭彫刻はすでにオークションリストから削除されていた。北京青年報が伝えた。

この一件は中国国内では大きな注目を集めており、古代彫刻マニアの陽新さんは、1720窟の現在の写真、日本漢伝仏教研究学者の関野貞氏が1928年以前に撮影した写真、そして今回のオークションリストに掲載された写真を比較した結果、いずれの写真にも仏の鼻の先端に白い窪みがあり、眉のところにほぼ同じ黒い構造線があり、また仏像の髷の数量と配列も一致していることがわかった。

また、1720窟の写真に基づき推測されたもともとの仏頭の高さは約70センチメートルで、これはサザビーズに公表された仏頭彫刻と同じ高さとなっているほか、切断された首の断面も一致している。陽新さんは「これらの要素を総合して見ると、今回のオークションに出品された仏頭彫刻が1720窟から盗まれたものだという可能性は非常に高いと思う」としている。

北京時間11日の夕方には、サザビーズの公式ウェブサイトにおけるオークションリストから仏頭彫刻がすでに削除されていた。 北京時間13日午前、オークションが終了したが、最高価格が付けられていたこの仏頭彫刻はついにオークションには出品されなかったという。

龍門石窟研究院の担当者は、「写真だけでは正確な判断ができない。本物を直接見た上で、最も正確な判断を出せる」としており、「この仏頭彫刻は個人コレクションであり、長い間世間に姿を現していなかった。今回のオークションをきっかけに、今後もこの仏頭彫刻に注目し続けるつもりだ。また、この他に紛失してしまった文化財も1日も早く龍門洞窟に戻るように願っている」としている。(提供/人民網日本語版・編集/HQ)

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