メコン川の水資源問題が中国と近隣諸国の衝突を招く―ロシアメディア

Record China    2012年10月10日(水) 8時23分

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7日、ロシアメディアはメコン川の水資源問題が中国と近隣諸国間の衝突や戦争の導火線に成り得るとの見方を示した。写真は中国、ラオス、ミャンマー、タイによるメコン川巡視。

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2012年10月7日、ロシアのラジオ局「ロシアの声」サイトは、メコン川の水資源問題が中国と近隣諸国間の衝突や戦争の導火線に成り得るとの見方を示した。8日付で環球時報(電子版)が伝えた。

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メコン川は中国、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムの6カ国を流れる国際河川。中国が自国内のメコン川(中国国内の名称は瀾滄江)流域に新たな水力発電所5カ所の建設を計画していることが下流域各国の不満と不安をかき立てており、水資源問題が各国間の衝突の導火線になる可能性がある。

中国では、水力発電所建設のために流域住民数万人が移転し、長い歴史を誇る地域が消失するのは珍しいことではない。中国政府はこうした犠牲に関し、安価な電力の獲得や水害の防止など、経済的な効果によって十分カバーできると認識している。

しかし、メコン川の状況では、国内以外にも近隣諸国との問題が存在しており、ラオスやタイ、カンボジア、ベトナムは水力発電所建設によるメコン川の水量の変化や悪影響の発生を危惧している。

ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席はウラジオストクで今年9月に開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、「メコン川の水資源の管理と有効利用はすでに切迫した問題となっており、ベトナム最大の穀物産地にマイナスの影響をもたらしている」と発言。ラオスや、中国と良好な関係を保っているカンボジアも水力発電所建設計画に対する懸念を表明している。

さらに近隣諸国は、メコン川の案件だけでなく、南シナ海での領有権問題など、中国が東南アジア地域での影響力を絶えず増強させていることに対しても不満を示している。こうした状況において、一部の国は米国のアジア重視戦略を中国とのバランスを保つ有効な要素とみなしている。ベトナム政府は11年、米海軍艦艇のカムラン湾への寄港をベトナム戦争後初めて認めた。さらに今年6月には、パネッタ米国防長官がカムラン湾を訪問した。また、ベトナム首脳はAPEC首脳会議で、「メコン川下流の国は米国や日本と協力する必要がある」と話し、中国を牽制している。

こうした状況について、ロシアの外交関係者は「ロシアにとってメコン川の問題は直接関係はないが、東南アジア情勢の緊張はロシアにも不利益をもたらす」と認識しているという。(翻訳・編集/HA)

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