【CRI時評】中国の新興産業のブルーオーシャンを切り開く私営経済

　2年前、中国政府は未来五年の国家戦略性新興産業発展プランを発表、2020年には戦略性新興産業の付加価値増加値の国内総生産に占める割合を15％にし、新世代のIT、ハイエンド製造、バイオ、グリーンローカーボン、デジタルクリエイティブ等5つの生産規模が10兆元クラスに上る新たな支柱を生み出し、更に広い分野で数多くの多分野を横断する融合の新たな成長ポイントを作り出し、毎年平均で100万人以上の新たな雇用を生み出すことを謳った。

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　このプランは中国にポジティブな変化をもたらした。国家統計局の公表した数値によれば、今年の7月末現在、中国の戦略性新興産業の付加価値増加値は昨年同期比8.6％増となっており、これは一定規模以上の工業の付加価値増加値の成長よりも速いもので、中でもEV車、工業ロボット、集積回路の製造量と企業利潤の成長が目立っている。このモデルチェンジのプロセスの中で、最終消費財と製造業における強大な産業チェーンを支える私営企業は極めて重要な役割を担っている。

　一部の統計によれば、中国の65％の特許、70％以上のテクノロジーイノベーション、80％以上の新製品は全て私営企業が創出したものとされる。本部を英国に置く世界でも有名なコミュニケーションサービスグループ企業WPPが発表した「最も価値ある中国ブランド・トップ100」によれば、2014年の時点では、中国では国有企業がトップ100のブランドの総価値の71％を占めていたが、2018年には、国有企業の比率は40％に下落、私営企業と小売系ブランドが目覚ましい価値の成長を見せるなど、テクノロジーイノベーション型企業が中国ブランドの成長のエンジンとなり、世界のバリューチェーンにおける中国の価値を強力に押し上げているとする。2018年の「中国企業トップ500」チャートに名を連ねた企業の中には、237の私営企業が含まれており、これは昨年比で11社増、占有比率は47.4％に上るものだ。そのうち、IT、「インターネット＋小売業」等の新業態・新モデルの企業はこのチャートの目玉となっている。例えば、「トップ500」のトップにつけたファーウェイは2017年に900億元のR&D費用を投下、6000億元余の営業収入を上げている。他にも、自動車メーカーのBYDはドイツのダイムラーと合資企業を立ち上げ、2012年に発売した最初のコンセプトカーから現在市場に並ぶEV車DENZA500に至るまで、中国のEV車業界をリードする存在となっている。

　私営企業が経営に際して直面する困難と問題について、中国の指導層は最近頻繁に発言を行い、私営経済の発展は中国の基本経済制度であることを強調するだけでなく、「私営企業の発展を支持せぬ行為は、政治性向的に極めて大きな問題を含むものであり、断固として糺して行かなければならない」と強調している。こうした発言を背景に、中国では近頃、人民銀行が1500億規模の再貸付や再割引を資本金の一部とした資金調達サポートツールとしての私企業債の発行誘導や、11の証券会社が合同で設立した約1000億元規模のアセットマネジメントプランの設立による私営経済のハイクオリティな発展の支持等を含む財政、税務、金融等に関するサポート政策を公布している。

　中国の私営企業の発展は、中国人が持つ奮闘の精神を体現するものだ。ハイクオリティな近代化経済体系の建設の道のりにおいて、私営企業は新興産業の「ブルーオーシャン」の中で新たな奇跡を作り出していくことだろう。（CRI論説員　王姗姗）