Record China 2019年6月16日(日) 9時20分
拡大
14日、在日中国人の林媛氏の傘にまつわる文章が日本新華僑報に掲載された。写真は傘。
2019年6月14日、在日中国人の林媛(リン・ユエン)氏の傘にまつわる文章が日本新華僑報に掲載された。以下はその概要。
やっと晴天に恵まれた。太陽の光があると心も明るくなって口の両端も思わず上がる。人とはこういうものだ。気温が急上昇した数日前は「この暑さを追っ払って!」と大雨を期待したのに、梅雨入りして雨が2日も続くともう耐えられない。ただただ青空を待ち望んでしまう。
雨が降った後の晴れた日、近所の家々の庭先には広げられた傘が並ぶ。「晴傘花」―これは日本で暮らす私が感動のあまり作った言葉だ。「生活への態度が1本の傘に映し出される」ということが、来日して初めてこの「花」を見た私の心を揺さぶった。
日本には日常生活、仕事にかかわらず、とても頻繁に使われる言葉がある。それは「お世話になっております」だ。日本人の「お世話になった」後の感謝の気持ちを庭先の小さな1本の傘が表現している。
以前、玄関の前で傘を干していた年配の女性に「傘をこんなに大切にするのですか」と声を掛けたことがある。女性は穏やかな笑みを浮かべ、傘を丁寧に畳みながら「傘があったおかげで大雨でも濡れなかったの。お世話になったわ。感謝してるのよ」といとおしそうに話してくれた。
私からすると「1本の普通の傘」に過ぎないが、私はまさにこの普通の傘のおかげで風雨から守られるのだ。私はこれまで、晴れた日に傘を干そうなんて考えたことはなかった。そして、1本の傘に感激の気持ちを抱いたこともない。
時候のあいさつのような「お世話になっております」が本当に心の中に根を生やして芽吹いたら、人々はこの世界、この社会が一瞬にして美しくなることに気付くだろう。食べ物があるのは種をまいてくれた人たちのおかげだ。服は縫製してくれた人たちのおかげ。自然の成り行きで身の回りに存在しているかのように見える全てのものに感謝、感激することを知ると、その自然の成り行きの中にある得難さが理解できる。
晴天のもとで見る「晴傘花」は、咲き誇るアジサイより柔らかく、美しく見える。(翻訳・編集/野谷)
この記事のコメントを見る
黄 文葦
2019/5/31
Record China
2019/5/21
2019/5/2
呂 厳
2019/4/29
2019/4/21
ピックアップ
we`re
RecordChina
お問い合わせ
Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら
業務提携
Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら
この記事のコメントを見る