“韓国版サンティアゴ巡礼路”計画に反対の声続出、自然破壊に地雷の危険も

Record China    2018年12月23日(日) 8時40分

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20日、韓国・京郷新聞は、韓国行政安全部が来年から非武装地帯周辺に造成する「韓国版サンティアゴ巡礼路」が物議を醸していると報じた。写真は南北境界の板門店。

2018年12月20日、韓国・京郷新聞は、韓国行政安全部(以下、行安部)が来年から非武装地帯(DMZ)周辺に造成する「韓国版サンティアゴ巡礼路」が物議を醸していると報じた。

記事によると、行安部は今月16日、「生態系の宝庫であり、さまざまな歴史・文化・安保資源を保有するDMZと近隣の境界地域に韓国版サンティアゴ巡礼路である『DMZ統一を開く道』を造成する」と発表した。2019年から2022年までの4年間で286億ウォン(約28億6000万円)を投じ、江華(カンファ)から固城(コソン)まで456キロの朝鮮半島横断路を造るという事業で、「年間100万人以上が訪問し、2500億ウォン(約250億円)の経済効果を創出する」との考えを示したという。

また17日には、ツイッターの公式アカウントに、短い動画とともに「韓国版サンティアゴ巡礼路が造られます!65年もの間、人が足を踏み入れたことのない道の土地に」という内容の広報ツイートも掲載された。ただ同ツイートには、「公共機関としては異例」という300件を超える反発コメントや1500件あまりのリツイートがあり、大統領府の国民請願掲示板にも反対意見が寄せられた。主な内容は「DMGの自然を破壊するな」というもので、その他にも「宗教色が強いサンティアゴ巡礼路とDMGを結びつけるのは適切でない」という指摘も出たという。

これを受け、行安部地域均衡発展課関係者は「DMZではなくDMZ境界地域で、既存の観光資源を生かす程度であり、新たに道を開くとしても人が通る細道程度だ」とし、「予算も土木事業をするほどではない」と説明したという。

しかし記事は「行安部の計画通りでも問題がある」と指摘している。緑色連合は10月に調査を行い、民間人が自由に出入りできる境界地域にも「未確認地雷地帯」が残っている事実を発表した。未確認地雷地帯についてはこれまでもたびたび危険性やずさんな管理が指摘されてきたという。

さらに、江原道(カンウォンド)の山林の90%は珍しい植物や生態系の保全のための「山林遺伝資源保護区域」に指定されていることから「開発と出入りが制限された自然保護区域に観光目的の道を造ること自体が問題だ」との指摘も出ているという。これに対し同関係者は「今後、国防部、環境部、山林庁など関連省庁との協議を進め、問題を取り除いていく」との考えを明らかにしている。

これを受け、韓国のネット上でも「DMZは韓国のアマゾン。現状のまま保存しなきゃ」「本場のサンティアゴ巡礼路も韓国の観光客が(行き過ぎて)台無しにしてる。DMZは開発より保存中心に進めるべき」「朝鮮半島で唯一自然がそのまま残ってる場所。北朝鮮に行くには別の方法もあるから、ここは手をつけずに子孫たちのために残しておこう!」「狭い国土に人口が密集してるから人が手をつけてない山はDMZ以外にはない。ここが最後の1つ」「観光客が入ったら自然の生態系が崩れて良いことなどない」など反論モード一色で、中には「南北首脳会談を数回したからって、もう戦争が終わったと勘違いしてるようだね」と指摘するコメントも寄せられている。(翻訳・編集/松村)

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