【CRI時評】「席をけるにけれない」ー英国のEU離脱の裏にある隠れたセリフとは

CRI online    2018年11月23日(金) 15時10分

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 11月25日、欧州連合(EU)は臨時サミットを開催し、英国でまとめられた「EU離脱協定案」を認めるかどうかを決定する。英国内閣がすでに閣議了承した「協定案」は585ページにも上るもので、同内閣は交渉を行うための「最良のバージョン」と認識している。さらに重要なのは、この臨時サミッ...

 11月25日、欧州連合(EU)は臨時サミットを開催し、英国でまとめられた「EU離脱協定案」を認めるかどうかを決定する。英国内閣がすでに閣議了承した「協定案」は585ページにも上るもので、同内閣は交渉を行うための「最良のバージョン」と認識している。さらに重要なのは、この臨時サミットで、英国のテリーザ・メイ首相がEU離脱後のEUとの関係について「政治宣言」を行うことだ。英国が「国運に関わる」鍵となる時を迎えたことは明白だ。

 臨時サミットを成功させるために11月21日、メイ首相は事前にブリュッセルに行き、欧州委員会のユンケル委員長と会談を行った。会談内容は外部に公開されていないが、欧州委員会の報道官はメイ・ユンケル会談について「非常によい進展を得た」「作業はまだ続いている」と述べた。

 実際には双方の溝が完全に埋められたわけではない。この溝には、脱EU後の英国と他のEU加盟国の関連海域における漁業権の配分や、スペインが英国に属するジブラルタルに「主権要求」をしている問題、さらに将来の英国・EU間の貿易の設定などの問題が含まれる。しかし総じて言えば、メイ政権とEUにはひとつの暗黙の了解がある。すなわち、英国がEUを離脱した後も、双方の関係と関連する手配についての根本的な変化はあり得ないとするものだ。これは双方の利益に合致するものであり、この共通認識はまさにその他の方面の分岐点を圧倒している。

 この共通認識により、英国はEUに対して表面上はけんか腰の姿勢を見せているにもかかわらず、実際には「席をけるにけれない」状況なのだ。同時に、EUおよび主要メンバー国は「これは公正な協定案だ。われわれは双方が妥協をした」と見なしている。

 内容面から言えば、この協定案は法律形式上において英国のEU離脱を決めるものだが、実際には英国が事実上EUに留まることを確保している。例えば、英領北アイルランドとEUメンバー国であるアイルランドの境界問題だ。協定案はひとつの緩和方策を設けており、もしも双方がこの問題で合意できなければ、その最終的な解決方法が見いだされるまで、英国及び英領北アイルランドはEUの関税同盟とEUの市場内に留まり続けることになる。これは、アイルランドと英領北アイルランドの間に改めて確固とした境界線を設けず、現在の人と貨物の自由な流動状態を保持するためだとされている。

 したがって、この緩和方案は事実上、英国とEUの双方の値踏みにおける「最低ライン」がすなわち現状維持であることを露呈するものだ。だとするなら、英国がEUに留まるのとでは、本質的にどのような違いがあるのだろう。

 ドイツメディアの報道によれば、英国とEUは11月25日の臨時サミットで、英国・EU関係についての政治宣言に正式に署名する。一部のEU外交官が明らかにした情報によれば、政治宣言には英国をメンバー国と見なし、双方の関係は実際には将来に渡っても大きく変更されることがないとの内容まで含まれるという。これは実際には双方がいずれも望んだ結果であり、メイ・ユンケル会談が「非常によい進展」を得たという言い方の裏にある隠れたセリフなのだ。

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