衰退する韓国防衛産業、政府の対応に疑問の声も

Record China    2018年12月15日(土) 0時20分

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14日、韓国・聯合ニュースは、韓国の防衛産業が衰退していると報じた。写真は南北境界の板門店。

2018年12月14日、韓国・聯合ニュースは、韓国の防衛産業が衰退していると報じた。企業の売り上げが急激に落ち、赤字になり始めたという。防衛産業の基盤が崩れているにもかかわらず、政府が適切な対処をしていないという指摘も出ている。

記事は、14日に発表された韓国防衛産業振興会(以下防振会)の「2017防産業者経営分析」資料を基に、93の防衛産業指定業者の2017年の防衛産業部門売上額は12兆7611億ウォン(約1兆3000億円)で、前年比13.9%減少したと伝えている。防振会が会員会社の防衛産業部門経営実績を集め統計を作成し始めた1983年以降、全体の売上額が減少したのは今回が初めて。全体の営業利益も2014年から2016年までは5兆ウォン(約5042億円)前後を維持していたが、2017年には602億ウォン(約60億7009万円)に急減したという。その上、2017年の税引前当期利益はマイナス696億ウォン(約70億円)、当期純利益はマイナス1091億ウォン(約110億円)だったという。

防振会は防衛産業部門の売り上げが減少し収益性が悪化した原因として、輸出減少、研究開発費の増加、会計処理基準の変更、造船業種の収益性悪化などを挙げたという。前政府により行われた防衛産業不正捜査をきっかけに、防衛事業庁など関係当局の防衛産業業者への制裁が強まったことも原因の一つとみられている。防衛産業業界側の防振会は、防衛事業庁が契約期間に事業を完了できなかった防衛産業企業に課す遅延賠償が防衛産業部門の実績悪化の原因とみており、業界の一部からは「契約不履行や原価不正などの理由で防衛事業庁が防衛産業企業に課す不正業者制裁も基準が厳し過ぎる」という指摘が出ているという。

防衛産業業界の関係者は「遅延賠償の賦課や、不正業者指定などの制裁を緩和させ、兵器体系の高度化で開発リスクが高まった状況を考慮しなければならない。米国政府は兵器開発に失敗したからと言って当該企業を制裁しないが、韓国では防衛産業の不正として追い込まれる」と述べたという。

このように企業は政府の規制を実績悪化の大きな要因とみているが、関係当局は企業の経営失敗も原因だと指摘している。防衛事業庁の関係者は「政府は国家契約法により防衛力改善事業にも最低価格入札制を適用させるしかなく、企業が競争入札の過程で政府が定めた予算よりも低い価格を提示する場合が多いため、赤字が出ることになる」と説明しているという。

これを受け、韓国のネット上では「現政権は防衛産業が崩れるのを待っているのかも」「韓国には軍事独占政権が必要だ」「国全体がマイナスだね。全体的に壊れていっている」「衰退しているのは防衛産業だけじゃない。国格の衰退が先駆け」などの声が上がっている。(翻訳・編集/仲野)

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