現代版“愚公”!?700の山を平地にして新都市建設、各界から批判の声相次ぐ―甘粛省蘭州市

Record China    2012年12月9日(日) 20時36分

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6日、中国・甘粛省蘭州市で、同市内にある700の山をつぶして平地化し、新都市を建設する計画がスタート。あまりにも壮大すぎる計画に、各界からの批判の声が相次いでいる。写真は蘭州市の興隆山。

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2012年12月6日、英紙ガーディアンによると、中国・甘粛省蘭州市で、同市内にある700の山をつぶして平地にし、砂漠に新都市を建設する計画がスタートした。8日付で環球時報(電子版)が伝えた。

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「愚公山を移す」という中国の有名な故事成語がある。愚公という老人が家の前にある2つの山を他へ移そうとした。人々は彼の愚かさを笑ったが、決してひるまず、彼の志に感じ入った天帝が山を動かしたという。今回、中国の不動産開発業者がその「愚公」になろうとしている。

壮大なプロジェクトを計画したのは中国太平洋建設集団。総額22億ポンド(約2900億円)を投じ、蘭州市西北部に新都市を建設する。計画の第一工程は今年10月下旬にすでにスタートしており、最終的には10平方マイル(約260キロ平方キロメートル)の建設面積になる予定だ。

中国各界の専門家はこのプロジェクトに批判的な意見を寄せている。人口360万人を抱える蘭州市は現在深刻な環境汚染に直面しているからだ。WHO(世界保健機関)は昨年、蘭州市を「中国で最も深刻な大気汚染都市」に指定した。中国国家発展改革委員会に属するマクロ経済研究院の劉福垣(リウ・フーユエン)副院長は「蘭州の新都市計画は適切なものとは言えない。なぜなら蘭州市は深刻な水不足だからだ」と発言。「水のあるところに人口を集中させるべきだ」と主張している。

また、中国人民大学経済学院の陶然(タオ・ラン)教授は「巨額の資金を投じて新都市を建設しても、住民が集まらなければ資金を回収することはできない。この砂漠の都市に人が集まるとは思えず、現在の不動産市場からみてもリスクが大き過ぎる」と否定的だ。

中国太平洋建設集団の広報担当は外部からの批判に対し「公正ではない」と反論。「蘭州市の環境はもともと悪く、人の住めない荒れた山ばかりで水も不足している。われわれは開発地区に水を引き入れ、緑地化を推進する。現地の環境改善に努めていく」と強く主張した。(翻訳・編集/本郷)

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