6年間冷え込んでいた日中関係、2018年は回復の兆し―中国メディア

人民網日本語版    2018年12月27日(木) 23時40分

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12月17日から21日にかけて、中国公共外交協会率いるシンクタンク・メディア代表団が日本を訪問した。

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12月17日から21日にかけて、中国公共外交協会率いるシンクタンク・メディア代表団が日本を訪問した。冬に入ったばかりだが、今回の代表団の訪日は初春のようなあたたかいムードの中、進められた。なぜなら日中関係は約6年間冷え込んでいたものの、今年は回復の兆しを見せているからだ。年末の日中両国のシンクタンクとメディア関係者の交流は、両国関係に春が訪れたことを実感させる機会となった。

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同時に、中国外交部の陸慷(ルー・カン)報道官率いる小規模な代表団も訪日し、中国公共外交協会率いるシンクタンク・メディア代表団と共に、日中シンクタンク・メディア対話会や日中大学生代表座談会などに参加したほか、陸報道官は大菅岳史外務報道官と18日、会談した。こうした日中外務報道官協議は実に約9年ぶりとなる。同協議は約6時間にも達し、率直で踏み込んだ話し合いが行われたとみられている。

三寒四温の時期というものは、期待と不安が入り交じるもので、心配なことがあれば理解を深め、率直な話し合いをして、信頼を築いていかなければならない。17日の日中シンクタンク・メディア対話会には、日本側のシンクタンク・メディアのキーパーソンも出席し、中国との対話を非常に重視していることが示された。

この100年で未曾有とも言えるほど情勢に大きな変化が見られる現在、中国の一挙一動には日本も注目しており、当然ながら「一帯一路」に対する関心も非常に高い。日本のシンクタンクの中には、冷静な目で「一帯一路」を研究し、理性をもって中国の発展の背後にある知恵を見つめる人々もすでに現れている。「『一帯一路』とは何かについて、日本ではまだコンセンサスが築かれていない」と話す日本の国際アジア共同体学会の進藤栄一会長は、福田康夫元首相を最高責任者とする「一帯一路」研究機関を立ち上げた。そして、「一帯一路」について研究を行い、世界のガバナンス推進を目的とし、コネクティビティーを重視し、情報革命を背景に、各国のための利益創出を目指しているということを知ったという。「一帯一路」とは、同盟を結ぼうとしているのではなく、調和とウィンウィン、持続可能な発展を重視している。その過程において、透明度や公平性を向上し続けなければならない。

世界情勢の大きな変化とともに、国際関係も大きく調整されている。その過程において、日本はどのような立場を取り、中国とどのような関係を築くのかが、多くの日本人の関心の的となっている。しかし、その関心には困惑や懸念も多く含まれている。

国際問題研究所の客員研究員・津上俊哉氏やアジア・パシフィック・イニシアティブの研究主幹・加藤洋一氏、毎日新聞の専門編集委員・坂東賢治氏などは、6年以上がたち、日中関係には改善が見られているが、北東アジアの安全の前提に突然変化が生じ、それは日本とっては「災難」のようだとの見方を示す。米国が新たな冷戦を開始するという情勢の下、日本は今後、どのような立場を取ることになるのだろうか?中国と米国の間に立つ日本はしばしばどちらの味方に立つのかという選択に迫られることとなり、それは非常に困難な選択となる。日本は最近、各省庁や自衛隊などが使用する情報通信機器からファーウェイ(華為)を排除する方針を固めた。安全という観点から考え、日本はこのような選択を余儀なくされたとしている。

この点について陸報道官は、「ファーウェイをめぐる問題で、日本が考えている安全的要素が日米同盟を指すのであれば、この同盟自体冷戦時の産物と言える。日本が考えている安全的要素が、米国が主張しているのと同じく、ファーウェイの機器を使うと国の安全が脅かされるというものであれば、必ずその証拠を提出すべきだ。現在グローバル化が進む中、各国がむやみに『国の安全』を理由に、非貿易障壁を設置すれば、最終的には自国に大きな損害をもたらすことになる。最も大きな損害を被るのは日本のような貿易をよりどころとしている国だろう。そして事態がそこまで進んだ場合、中国もああだこうだと様々な理由をつけて、一部の国の商品や技術を排除することが可能だということになる。通常、どんな新技術や商品であっても研究開発に一定の期間が必要であり、大きな市場の検証を受ける必要がある。この点、中国の優位性が他の国に劣ることはない。中国はわずかな恨みも必ず晴らすということはしないが、他の国の中国に対する不公正な対応を鵜吞みにすることもない」との姿勢を示した。

そして、「両国のシンクタンク・メディアは、歴史の悪循環からどのように抜け出し、今後どんな紆余曲折があったとしても、溝を管理・コントロールし、両国関係を健全に安定した状態で継続的に発展させればよいのかを話し合わなければならない。そのためには、日中関係を築く上で、歴史に誠実に向き合い、客観的に現実を認識し、積極的に未来に目を向ける必要がある。相互信頼を築き、両国関係を強固なものにするというのが、解決が必要な問題だ」と指摘した。

実際、新たな情勢下で、日本のメディアも、どのように新たな視点で日中関係を報道すればよいのかについて考えている。朝日新聞国際報道部の稲田信司部長は、「日中双方のメディア交流は近年、低迷している。反中、反日感情は拡散しやすいのに、それを鎮静化させるのは難しい。今はどのように正確な報道をして、フェイクニュースと戦うかを考えなければならない」と指摘する。そのためには、踏み込んだ取材を行い、広い視野で分析するという二つの面で努力が必要だ。虫のような目も必要だが、全体を見渡すことができる鳥のような目も必要となる。樹木だけを見て、森全体を見ないようなことがあってはならない。日本テレビ・国際部の長谷川次郎副部長は、「安倍首相の訪中に伴い、中国を訪問した日本の若い記者は中国人と率直な交流を行ったのをきっかけに、『怖い』と感じなくなった」とする。フジテレビ報道局の矢野修至統括担当局長も中国の悪口を言えばクリック数が伸びると認めながらも、「私はそんなことはしない」とした。

日本のニューメディアは、中国と比べるとその発展の遅れが顕著だといえる。中国のショート動画共有アプリ「抖音(TikTok)」は2018年、日本のAppStoreでのダウンロード数がツイッターやYouTubeを超えた。日本のニューメディアの中では、ドワンゴが提供している動画共有サービス・ニコニコ動画が独走している状態だ。今月18日、代表団がニコニコ動画を見学した時間は、ちょうど習近平(シー・ジンピン)主席が中国改革開放40周年大会で談話を発表している時で、ニコニコ動画もそれを生放送していた。ニコニコ動画の吉川圭三エグゼクティブプロデューサーによると、ニコニコ動画は日本で唯一、ノーカットで中国全国人民代表大会、閲兵式、春節聯歓晩会(旧正月を祝う中国の国民的年越し番組)などを生放送するニューメディアだ。中国側の観点を理解するために、ニコニコ動画は「南京!南京!」などの中国映画も配信している。「中国の閲兵式を生放送した後、多くの日本の若者が『中国の実力は強大であることを知った』と声を寄せた。中国は近隣の大国で、相互理解を深める必要がある。そのため、当社の配信は東アジアの平和に寄与すると思う」と吉川エグゼクティブプロデューサー。

さらに今月19日、大阪大学で中国側の代表団と関西エリアの大学生約130人の交流活動が行われた。会場では今年の「日中の大学生1000人の交流活動」に関する映像が流された。その後、陸報道官が日本の大学生の質問に答えた際には、会場に何度も笑い声が上がり、盛んに拍手があがった。神戸学院大学の学生・浜田さんは、中国語で、「今年の夏休みに日中青年交流大会に参加しました。その活動により中国がもっと好きになりました。このような活動は今後もあるのでしょうか?一人でも多くの人がこの活動に参加することを願っています」と質問すると、陸報道官や在大阪中国総領事館の李天然(リー・ティエンラン)総領事が「あります」と回答。浜田さんは最後に、「日中関係がもっと良くなることを願っています」と述べた。交流活動の最後に、日本の大学生2人が、中国の歌「大中国」を披露すると、会場全体が熱気に包まれた。

まさに日中関係の基礎は民間にあり、日中の青年たちにこそあるのだということが、ここからもわかるだろう。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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