もうアメリカには頼らない!中国独自の衛星測位システム「北斗」が運用開始へ―独メディア

Record China    2013年1月4日(金) 14時5分

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1日、独メディアによると、中国が独自で開発した衛星測位システムである「北斗」衛星ナビゲーションシステムが正式に運用を開始した。中国は近年、宇宙技術で目覚ましい成長を遂げており、注目が集まっている。写真は「北斗」衛星ナビゲーションシステム。

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2013年1月1日、独メディアによると、中国が独自で開発した衛星測位システムである「北斗」衛星ナビゲーションシステムの地域ネットワークとアジア太平洋地域ナビシステムの構築が全面的に終了し、正式に運用を開始した。中国は、国際的な電子製品サプライヤーに「北斗」ナビシステムを売り込んでいるようだ。1日付で参考消息(電子版)が伝えた。

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独紙30日付の報道によると、中国の衛星ナビゲーションシステム弁公室の冉承其(ラン・チョンチー)主任は、「『北斗』システムの全体的な性能は米国の全地球測位システム(GPS)に匹敵するものであり、GPSよりも低コストである」と話している。

同システムの通信事業者は先般、専門家向けに無線で電気信号を伝達する仕組みなどを解説する文章を発表し、「北斗」システムの導入に意欲的なサプライヤーが随時質問できるよう、連絡先を公開している。この動きから、中国は、世界の電子製品サプライヤーがGPSの代替品として、「北斗」システムの後ろ盾になってくれることを望んでいるのが分かる。

中国はすでに「北斗」システムの衛星を16基打ち上げており、東南アジアとオーストラリアをカバーすることが可能で、位置情報の誤差は10メートル程度だという。2020年までには全世界をカバーすることができる。

中国にとって、衛星測位システムを構築することは、商業的にも軍事的にも、名声を得る上でも有益なことである。現在、中国の衛星測位システムに関わる市場規模は、すでに150億ユーロ(約1兆7000億円)に上り、今後8年間で600億ユーロ(約6兆9000億円)にまで拡大する。2、3年後には、中国の5分の1のナビシステムが「北斗」衛星に依存すると見られる。

中国軍もかつて、独自の測位システムの一刻も早い開発を求めていた。アメリカの軍当局はGPSの制度をコントロールすることが可能で、いつでも特定の地域のGPS信号をシャットアウトすることができるため、緊急事態が発生した場合、中国の人民解放軍はライバルであるアメリカに頼ることはできない。

その上、宇宙大国へと成長しつつある中国は、新たに得た宇宙技術を発揮する場が必要である。中国は以前、欧州連合(EU)が独自で開発を進めている高性能な衛星測位システム「ガリレオ」プロジェクトへの参加を試みたことがある。しかし、欧州人の不信感によって、中国は重要な決定には参加できないという屈辱を味わい、資金面での通信業者同士の内輪もめなどにも嫌気がさしていた。そして、長年にわたる研究と試行期間を経て、中国は2006年に独自の衛星測位システムを建設することを決定し、2007年には、予定通り「北斗」衛星の軌道投入に成功、今日に至るまで、技術面も順調に進み、当初の計画よりも速いペースで進展し、コストも予算を下回っている。

2020年には、北斗システムは30基の衛星により、全世界をカバーするサービスの提供を始める予定で、GPSに劣らない代替システムになることが見込まれる。携帯、自動車、ノートパソコンなどでナビ機能を使用する際には、どの国のシステムを利用するかの選択肢が広がり、ライバル同士の衛星信号を同時に利用することもできる。「ガリレオ」と「北斗」の最も高精度な位置情報データは暗号化されており、使用料金を支払った特定の顧客と軍隊への提供に限られる。

中国は近年、宇宙技術の面で飛躍的な進歩を遂げており、すでに人が短期間滞在できる宇宙実験室「天宮1号」の運用を開始している。有人宇宙ステーションプロジェクトも進んでおり、2020年を目途に60トン級の有人宇宙ステーションの完成を目指している。(翻訳・編集/XC)

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