「刀と掃除機の選択を迫られる日本」=安倍氏が目指すのは物質的繁栄か強い外交か―ロシアメディア

Record China    2013年1月22日(火) 12時58分

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18日、参考消息(電子版)によると、ロシアラジオ局ボイス・オブ・ロシア(VOR)は14日、「刀と掃除機の間で選択を迫られる日本」と題した記事を掲載した。資料写真。

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2013年1月18日、参考消息(電子版)によると、ロシアラジオ局ボイス・オブ・ロシア(VOR)は14日、「刀と掃除機の間で選択を迫られる日本」と題した記事を掲載した。以下はその内容。

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あらゆる政治家、政治への信用が失われた状況で、たとえ自民党が衆参両院で過半数を獲得したとしても有効な決定を行うことは難しい。自民党も民主党も失敗の記憶が新しく、政治はドタバタ劇となり、有権者はその劇の観衆へと変貌しかねないからだ。

このことは、石原慎太郎前東京都知事の東日本大震災後のコメントを思い出させる。石原氏は「アメリカの国家的アイデンティティーは自由。フランスは自由と博愛と平等。日本はない。我欲だよ。我々は我欲に縛られている」と語って、大きな論議を巻き起こした。

戦前、道徳や政治体系が、一族、祖国、天皇に忠義を尽くすといった「崇高な目標」のために自己を実現する機会を与えるものだったとすれば、米国が自国を手本として日本に民主主義の体系を確立した後は、そもそも「崇高な目標」など必要ではなくなってしまったのだ。

高度経済成長期には、掃除機、洗濯機、冷蔵庫が新たな三種の神器となった。だからといって日本人が我欲におぼれていると叱責するのも不条理なことだ。日本人は国の成長レベルが極めて高いにもかかわらず、物価高のために切り詰めた暮らしを余儀なくされている。

だが、80年代終わりにバブル経済が崩壊したとき、日本には明瞭で崇高な価値観が欠けているという問題が先鋭化した。消費ばかりを重んじる気風は下火になっていったが、それに取って代わるような新しいものは現れなかった。

日本はいまだ、「崇高な目標」のために死ぬという武士道精神と、快適な生活を送るための実用主義との間でもがいているように感じられる。その印象は政治綱領からも見て取ることができる。2度目の首相を務める安倍氏は、有権者との約束である経済の停滞からの脱出を目指すのか、それとも強い外交を取り戻そうとするのだろうか。

昨年9月、自民党総裁に選出された安倍氏は「私たちの美しい海や領土が侵されようとしており、経済の低迷により若者は未来に希望が見い出せないでいます」と語ったことが、この問題を如実に表している。

確かに野田前首相は国際政治においては極めて不人気な存在だったが、安倍氏が民族、歴史における自己認識に関わるような、日本にとって痛みを伴う問題についてさらに寛容な態度を取ることが期待できるだろうか。

昨年10月、中国との領土問題が先鋭化した頃、安倍氏は公然と、挑発的に靖国神社を参拝している。小泉純一郎氏も首相在任中に靖国を参拝した。だが、2006年に首相に就任した安倍氏は、国際社会に対し靖国を参拝しないと約束したからこそ苦境を脱することができたのである。

しかし、首相に返り咲いた安倍氏は、反戦条項を持つ憲法の改正、自衛隊の国防軍化、集団的自衛権の法的確認を目指し、この動きを日本国民も支持している。ある世論調査では、大多数が核開発に反対したが、「自衛能力を高めてほしい」という希望が述べられていた。ある大学生は「誰も刀と銃で東アジアを荒らしまわった軍国主義の1930年代に戻りたいなどと思っていない」と語っている。

当時に戻ることは不可能であり、米国も新たな競争相手としてではなく、アジア戦略における盟友としての日本を必要としている。だが、日本が真の軍隊を持たない以上、中国に対抗するという使命を与えられることもない。恐らく、日本人の「崇高な価値観」には、掃除機ではなく、再び刀の姿が見えるようになるのではないだろうか。(翻訳・編集/岡本悠馬)

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