ゆーちゃん(渋谷汪子) 2019年2月24日(日) 16時0分
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大連で大学を卒業したばかりの日本人に中国での印象深いエピソードについて聞いた。写真は筆者のゆーちゃん。
筆者:翔太郎くん、久しぶり!!中国から日本に帰ってきたと聞いて、早速連絡させていただきました。
丸山:お久しぶりです。おかげさまで、2019年1月、無事に遼寧師範大学(中国大連)を卒業することができました。
筆者:卒業おめでとう!!翔太郎くんが、初めてウチの日中交流会(パンダクラブ)に来たのが2015年の11月くらいかな?その後、すぐに大連留学に行ってしまったよね。彼是あれからもう3年くらい経つんだね…。
丸山:そうですね。ゆーちゃんの交流会に参加した後、2016年1月、大連に着いてから、最初の1年間は遼寧師範大学の中国語学習班に入って、基礎から中国語をしっかり学んでHSK5級まで取得しました。その後は「HSK5級保持者は本科の3年生に編入可能」という大学側の制度を利用して、残りの2年間、本科生として大学生活を過ごしたんです。
筆者:なるほど。実際の中国は、想像していた中国とは違いましたか?
丸山:想像と若干違いました。というのは、僕が中国に行って一番驚いたのは中国人の優しさです。公共バスなどでは、中国人は皆が競って、高齢者や子連れの女性の方に席を譲ったりします。他にも、中国人は街中で困っている人を見かけると、おせっかいなくらい色々と世話をしてくれて、困っている人を本気で心配してくれます。元々僕自身、中国の人たちに対する偏見はなかったのですが、正直あの中国人の優しさには本当に驚きました。
筆者:もちろん日本にも優しい人は沢山いるんだけど、優しさの種類が違うんだろうね。
丸山:そうなんですよ。実は、中国に滞在していた時に、こんなことがありました。ちょうど、大学の休みを利用して、SNSで知り合った揚州(江蘇省)の男友達に会いに行くことになったんです。彼とはSNSで知り合って、たまにチャットするくらいの仲で、今まで一度も会ったことはありませんでした。にもかかわらず、自分が揚州に到着すると、彼の祖父母、両親、家族・親戚一同が総出で僕をもてなしてくれました。ご家族の方が、ひとりひとり手料理でもてなしてくれたり、近くの美味しいレストランに連れて行ってくれたりもしました。
筆者:まさに中国独特のおもてなし文化だね。
丸山:ネットで知り合っただけの、初めて会う男友達に、ここまでおもてなししてくれるのかと感激しました。
筆者:本当に実りある中国留学になりましたね。学業以上にも大切なことを沢山学んだ3年間だったと思います。
丸山:実は最近、日本に帰国してから、このようなことがありました。先日、都内のとある駅のホームで、具合の悪そうな人が倒れそうになりながら壁に寄りかかっていたんです。周りを歩いている人たちは、チラッチラッとその人を見るものの、素知らぬ顔で通り過ぎていくばかり。仮にこれが中国だったら、すぐにその人を心配する大勢の人だかりが出来ているはずです。
筆者:その時、翔太郎くんは?
丸山:気づいたら、『大丈夫ですか?』って、自然にその方に駆け寄って声をかけていました。そして、駅員さんが来るまで、ずっとその方に寄り添っていました。これは、僕が中国に行ってたからこそ出来た行動だと思います…。
筆者:もちろん、日本人でもそのようにアクションする人は沢山いると思うけど、翔太郎くんは、困っている人を放っておけない中国人の慈愛の精神を中国で学んだ。そして自身の考え方も変わった。考え方が変わったことで行動も変わった。本当に素晴らしいと思います。
丸山:中国の人たちには本当に多くのことを学びましたね。だからこそ、今まで僕が中国の人に助けてもらった分、今度は日本で中国の人たちを助けたいという気持ちがとても大きいです。せっかく日本に希望を持ってやって来た一人でも多くの中国の人たちに、日本という国を好きになって中国に帰ってもらいたいんです。そして、そのために自分が出来ることをやっていきたいと思います。
…2015年11月、初めて丸山翔太郎と知り合った当時、自分が主催する日中交流会に参加していた彼は、どこか頼りなく、おどおどした感じの内向的な青年だった。
「中国の人たちと知り合ったおかげで自分は変われた。だから今は中国の人たちに恩返ししたい」
しっかりとした眼差しで、自身の熱い思いを語る現在の彼を見て、彼の過ごした三年間の中国生活に心から敬意を表すると同時に、なんだか無性に嬉しくなった。
■プロフィール:丸山 翔太郎さん
東京都出身。中国映画『イップ・マン』に魅了されて、2015年に都内の中国語スクールにて中国語の学習をスタート。その後、8カ月の学習期間を経て、中国(大連)遼寧師範大学へ留学する。大連留学時には、本科生として勉学に励む傍ら、DISA大連留学生社団のリーダーとして、数多くの日中友好活動を主催した。
■筆者プロフィール:ゆーちゃん(渋谷汪子)
大手商社総合職だった父親、国際線CAだった母親に、グローバル人材になるための教育を受けるが、まったくと言ってよいほど勉強に興味が持てず落ちこぼれる。99年より、大好きだった三国志に触発され中国留学を決意。数年の北京生活を経て、中国という国の魅力にドハマりする。自身が代表を勤める「一般社団法人Japanese & Mandarin Union-JMU」は、首都圏最大の中国語コミュニティの1つとなっている。Facebookはこちら※フォローはメッセージ付きで。JMU日中交流会パンダクラブ
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