中国の4G標準TD-LTE、なぜ成功できたのか―中国メディア

Record China    2013年2月6日(水) 7時24分

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4日、中国企業が主導となって開発した4G標準・TD-LTEは2012年初旬に2つある4G国際標準の1つに定められたが、今回は3Gの時とはうって変わって大きな反響があった。写真は江蘇省南京市で開かれた通信技術関連のイベントでTD-LTEを体験する人々。

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2013年2月4日、中国独自の3G標準・TD-SCDMAが国際標準として定められた時、反響はごくわずかだった。TD産業連盟の楊[馬華](ヤン・ホア)秘書長は当時を振り返り、「国際標準会議でTD-SCDMAの話題が始まったとたん、外国人はコーヒーを飲みに出て行ってしまった。彼らは中国の標準は商用化しないと考えており、話し合いにも参加しなかった」と語る。人民日報が伝えた。

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当時、中国企業が開発できたのはモバイル通信システムのみで、携帯電話用チップ、検査装置、携帯端末といった重要設備は開発できず、ローエンドの加工製造に企業が集中していた。通信キャリアも新技術の運用経験がなかった。4G国際標準・TD-LTEの知的財産権を有する大唐電信集団の陳山枝(チェン・シャンジー)副総裁(チーフエンジニア)は「標準は産業あってこそのもの。産業のサポートがなければ標準はただの空文になってしまう」と語る。

中国企業が主導となって開発した4G標準・TD-LTEは、2012年初旬に2つある4G国際標準の1つに定められたが、今回は3Gの時とはうって変わって大きな反響があった。2012年11月の時点で世界59の通信キャリアが商用化計画に参加し、12のキャリアがすでに商用化を実現している。

「追随する3G」から、「リードする4G」へ。この過程を目にしてきた陳副総裁は、「中国のモバイル通信技術と産業チェーンはこの10年間で大きく進歩した。大唐電信を代表とする中国企業の技術力はより一層向上し、国際標準の制定規則をしっかりと理解し、柔軟に活用することができた。さらに中国は莫大な市場を有しており、国際協力もますます頻繁化・緊密化している。これらの要素により、中国の4G標準は今回、世界を納得させることができた」と語る。

陳副総裁は4Gの利点について、「4Gと3Gは、高速道路と一般道に例えられる。4Gの通信速度は3Gの10〜100倍で、複数のプログラムの同時使用やHDビデオ通信が実現可能だ。また、速度が向上したことで、これまでに帯域幅の制限で開発が中止されていたアプリなど、新たなアプリを推進することができる」と紹介する。さらにMIMO(マルチアンテナ)、分散型アンテナ、干渉調整・リソーススケジューリングといった技術を採用しているため、4Gはエネルギー消費量も低い。下げ幅は使用環境、ユーザー数、トラフィック負荷量によるという。

中国の4G標準の利点について陳副総裁は、「もう1つの国際標準であるFDD-LTEと比べ、TD-LTEは上下非対称な帯域での運用が可能。周波数割当が柔軟で、周波数利用効率が高い。非対称なモバイルインターネットでの利用に適しているといったメリットがある。また、TD-LTEシステムは、モバイル通信システムの独立したネットワークに対応しており、完備された産業チェーンを有する。中でも非対称トラフィックに対応している点は中国独自の技術だ」と語る。

今年、TD-LTEの試験範囲は150都市に拡大する予定だ。陳副総裁によると、TD-LTEが全面的に普及するのは1〜2年後になるという。さらに陳副総裁は、「数十億元(約数百億円)を投じた開発により、1兆元(約15兆円)規模のモバイル通信産業がけん引されるかもしれない。TD-LTEが4Gの国際標準となったことで、『メイド・イン・チャイナ』の実力が示された」と話している。(提供/人民網日本語版・翻訳/SN・編集/内山

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