Record China 2013年2月16日(土) 18時13分
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14日、中国のジャーナリスト・王錦思氏は「北朝鮮は中国東北部でアヘン戦争を起こすのか?」と題した記事を掲載した。写真は中国遼寧省丹東市の北朝鮮国境。
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2013年2月14日、中国のジャーナリスト・王錦思(ワン・ジンスー)氏は「北朝鮮は中国東北部でアヘン戦争を起こすのか?」と題した記事を掲載した。以下はその内容。
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海にも面していず、薬物の生産地でもない中国東北3省が、深刻な違法薬物汚染地帯になっている。隣国のロシアや韓国は薬物を密輸してはいるが主要生産地ではない。ただ、北朝鮮は1990年代から大規模な薬物の生産に取り組んでいる。東北3省をむしばんでいるのは明らかに北朝鮮製の違法薬物・覚せい剤だ。
韓国メディアによると、2010年に中国当局が押収した北朝鮮製の覚せい剤は末端価格で6000万ドル(約55億8000万円)に達している。このため、中国と韓国は水面下で合同捜査を行っている。2011年6月、中国国家禁毒弁公室常務副主任で公安部禁毒局局長の劉躍(リウ・ユエ)氏は「東北3省で摘発された合成麻薬使用者は全体の70%を占めている」と語っている。合成麻薬とはアヘンなどの伝統的な麻薬に相対する化学合成された薬物で、主なものは覚せい剤だ。
ここ数年、北朝鮮製の覚せい剤が大量に中国東北部に出回っている。その被害を最も多く被っているのは国境沿いの住民たちだ。北朝鮮と密接な関係にある吉林省延辺朝鮮族自治州を例にとると、延吉市が把握している薬物使用者の数は1995年の44人から2010年の2090人へと47倍にも増えている。
薬物使用者の低年齢化も顕著になっている。1996年以前の薬物使用者の平均年齢は40歳前後だったが、現在では63%の薬物使用者が17歳から35歳までの年齢で、最少年齢は14歳にも満たない。同時に薬物汚染はあらゆる層に浸透し、役人や小中学生にまで広がっている。
北朝鮮製の覚せい剤は東北3省で消費されるだけでなく、中国各地や韓国、日本、ロシアなどの国にも流れ込んでいる。つまり、中国東北3省が覚せい剤の国際中継地になっているのだ。
韓国メディアによれば、北朝鮮の中国における覚せい剤の密輸は「3−3−3制」という手口をとっている。9〜10人の密輸グループのうち、3人が北朝鮮人で覚せい剤を中朝国境まで運ぶ。次に朝鮮族の中国人3人が東北3省での輸送を担当し、韓国人3人に覚せい剤を渡す。韓国人はこれを韓国や日本に密輸するのだ。(翻訳・編集/本郷)
●王錦思(ワン・ジンスー)
吉林省出身、北京在住のジャーナリスト。北京大学でメディア学を専攻。日中歴史問題や抗日戦争史を研究課題としている。著書に「日本行、中国更行」。11年3月に日本で「中国『反日』活動家の証言」を出版。
※本記事は筆者の承諾を得て掲載したものです。
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